CNETパネリストが振り返る2010年

2010年12月30日 00時00分

 いろいろなことがあった2010年も残りあとわずかです。CNET パネルディスカッションの1年間のお題を見返してみると、パネリストの皆さんには多くのトピックにご意見を寄せていただきました。2011年もよろしくお願いします。

 さて、2010年のIT業界における3大ニュースを選ぶとしたらどんなものが思い浮かぶでしょうか。皆さんの意見を聞かせてください。


  • 神田敏晶
    神田敏晶さん (ビデオジャーナリスト)
    やはり、なんといっても、2010年はリークの年でした。

    Wiki leaks、  尖閣ビデオ と 情報は、やはり「自由」になりたがるということを改めて、感じる年となりました。

    内部告発は、義憤にかられての行動。

    どちらも、良いことではなく悪いことや、秘密裏でおこなわれることのみが白日のもとにさらされる。

    リークされる情報は、常に「不都合な真実」であり、諜報活動されている情報や駆け引きに使われている情報でもあった。

    このリークにインターネットは非常に相性がよく、実は、リークこそが、「真のインターネット」であり、「インターネットの本質」なのかもしれない。

    「情報」を、誰もがもう一人ぼっちにできなくなってしまっているようだ。

    Wiki leaksの創設者であるアサンジ氏が、ワイセツ容疑という別件逮捕を行われても、万一のことがあれば、さらに膨大なリーク情報が流出という隠し玉を持っていることによって、ますます、アンタッチャブルになりつつある。

    反対に、アサンジ氏は、現在居所がわかる電子タグの保有が義務づけられているが、これをきっかけに、暗殺される可能性増えたのかもしれない。

    何よりも、アサンジ氏が、事業を大きくするとか、IPOをめざしていたり、政治的な活動や、ある宗教を促進しているわけでないのが、反対派は戦いにくい。

    彼は、ただ、国家間の諸問題に対し、内部告発したい人たちをエンパワーメントできるプラットフォームを作っただけである。それをジャーナリストという識者が選んだトピックのみがリークされるという仕組みで、デマではない、リーク情報が流出される。

    これはある意味、理想のジャーナリズムであると思う。メディアを持たない人たちが、不正や社会悪に対して、自分の知り得た第一次情報をリークできる。公開される価値のあるものと判断された情報だけがリークされる。

    もし、日本版wiki leaksがあったならば、海上保安官は辞職することもなく、第二、第三のリーク者によって、より赤裸々な領土問題について、国民が知ることができただろう。

    そういう意味では、2010年のこのリークの流れが、2011年はもっと激しくなると予想される。

    内部告発されない組織、内部告発に耐えうる組織でないと社会に存在する価値がない時代がやってきた!




    2010-12-27 18:48:16

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