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ゲイツ引退、本当の功績とは?

2008年6月30日 16時30分
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 Microsoft常任会長 Bill Gates氏が6月27日に退任しました。すでに2000年1月にはCEOをSteven Ballmer氏に譲っており、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団での慈善活動に重心を移していましたが、今後はフルタイムの業務から完全に引退するそうです。

 Microsoftの設立、Windowsの開発などは、Gates氏の功績としてあまりに有名ですが、同氏がIT業界に与えた影響の本質とは何でしょうか。パネリストのみなさんのご意見を聞かせてください。


  • 及川卓也
    及川卓也さん (テクノロジーアドバイザー)
    ビルゲイツ氏の功績は数えきれないほどありますが、私の記憶に強く刻みこまれているのは、彼によってなされた2つの英断です。どちらもマイクロソフト全社に対する大号令でした。

    1つは1995年のインターネットへの包括的な取り組みの指示、もう1つが2002年に行ったセキュリティ強化のためのTrustworthy Computingの発表です。

    1995年に社員にインターネット対応を指示したときのメールはWikipedia( (リンク ») )で見ることができます。私は翌年(1996年)にサンフランシスコで行われた開発者会議(PDC: Professional Developers Conference)に参加しましたが、彼の大号令から1年もたたないにも関わらず多くのインターネット関連の新技術が発表されており、力のある会社の底力を見た思いがしました。ご存知のとおり、この英断により、MSNはインターネットをベースとしたサービスを行うように変更され、Windows 95をはじめとする主力製品にインターネット機能が標準搭載されるようになったのです。

    2002年のTrustworthy Computingの社内向けのメモはWired( (リンク ») )で見ることができます。当時、私はマイクロソフトの社員でしたが、マイクロソフトに入社して以来、セキュリティ対策の強化を訴えてきていましたので、このメモを読んだときにはやっと自分の主張していたことが認められたと思ったものです。

    もしWindows 95にインターネット機能が搭載されていなかったら、もしセキュリティへの対応を抜本的に見直していなかったらと考えると、彼が大きく舵を切りなおしたことはマイクロソフトのみならず、業界全体に大きく影響を与えたことと思います。マイクロソフトのインターネット技術やセキュリティ対策については今でも課題が多く指摘されますが、それでも、もし彼がいなかったら時代はぜんぜん違ったものとなっていたことでしょう。

    彼はここ数年業界の嫌われ者のイメージがついてしまっていますが、彼によってなしえた偉業をわれわれはもう少し真摯に見つめなおしてみても良いのではないでしょうか? ちなみに、スティーブバルマー氏も多くの人にはモンキーダンスを踊っている脳みそも筋肉で出来ている体育会系営業マンというイメージしかないかもしれませんが、非常に優れた尊敬できる人で、もっと理解されても良いと思います。蛇足ですが。

    ちょっと個人的な思い入れが入りすぎた気がしますが、ご容赦ください。
    2008-07-01 12:07:42
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