ボストン発--Microsoftから開発者へ向けたメッセージは、「オンラインサービスは消費者だけのものではない」ということになるようだ。
Microsoftの最高技術責任者(CTO)Ray Ozzie氏は米国時間11日、同社企業向けソフトウェアを補うことを目的に、インターネット提供されるサービスを企業顧客向けに同社では開発中だと述べた。
Ozzie氏は、Microsoftが開催する業務技術ユーザー向けカンファレンス「TechEd 2006」で講演し、シングルサインオンやネットワーク管理など、Microsoftが業務用に提供予定のオンラインサービスの一部について説明した。
Microsoftは、「Windows Live」などの消費者向けオンラインサービスを立ち上げてはいるが、企業向けオンラインサービスの動向については、これまで詳しく説明していなかった。
Ozzie氏が述べたMicrosoftの戦略は、2005年秋に同社会長Bill Gates氏が初めて語った内容とほぼ一致しており、既存のクライアントおよびサーバソフトウェアの拡張となるようにフルラインのサービスを提供するという。
例えば、企業ではWindowsネットワークをホスティング型の管理またはセキュリティサービスに接続できるようになるという。また、営業部員は、自分のデスクトップPC、企業ネットワーク、ウェブにある情報の検索が一度で可能になるとOzzie氏は述べた。
「Microsoftは、非常に実践的なアプローチ、シームレスでクライアント/サーバサービスと融合したアプローチをとっている。サービスがWindowsとOfficeアプリケーションを補完し、インターネットまでに拡張するアプローチだ」と同氏は述べた。
かつて「Lotus Notes」などのソフトウェア開発に携わっていたOzzie氏は、2005年、にMicrosoftに入社し、同社オンラインサービス事業を推進している。
同氏は、PC革命やウェブのように、サービスがIT産業における次の大きな流れとなると述べた。
現在、ウェブメールやインスタントメッセージングなどホスティング型のウェブサービスは、企業ユーザーより消費者に対して大きな影響力を持っている。しかし、Ozzie氏は、Microsoft、Google、およびYahooのような企業が構築しているサービスインフラを企業は利用できるようになると予想している。
「これまでのPC、携帯電話、電子メールと同じように、個人、中小企業、大企業、政府などのあらゆるセグメントが、この(コンピューティング)インフラから恩恵を受けることになるだろう」と同氏は述べた。「これらの投資は、コンピューティングおよびコミュニケーションにおいて、根本的な変化の前兆となる」(Ozzie氏)
Ozzie氏は、既存のWindows用技術を使ってIT専門家や開発者がアクセス可能となるサービスをMicrosoftは開発するつもりだと述べた。
Microsoftは9日、Microsoft Liveブランドのサービスを使ったマッシュアップアプリケーションの開発を促進するため、 Windows Live Devと呼ばれる情報ウェブサイトのベータを立ち上げた。
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