サンフランシスコ発--Microsoftのサービスに関する今後の方向性を理解したければ、まずiPodを調べることから始めるべきかもしれない。
Microsoftでサービス関連の責任者に新たに任命されたCTO(最高技術責任者)のRay Ozzieは、ハードウェアとソフトウェア、そしてサービスを結びつけた製品の「完璧な例」として、Apple Computerの有名な携帯音楽プレイヤー「iPod」を挙げた。同氏はまた、電子メールデバイス、サーバベースのソフトウェア、そしてワイヤレスデータサービスを統合したResearch In Motionの「BlackBerry」にも言及した。
ポイント
Microsoftでサービス分野の責任者を務めるRay Ozzie(CTO)は、同社の進むべき方向を示す例として「iPod」を挙げ、さらにGoogleの成功が同社の「目を覚まさせた」と語った。先月の大規模な組織改編発表以降に、同社が今後の方向性について詳述したのはこれが初めてだ。 |
どちらの場合も、ユーザーはパッケージに含まれる個々の要素を意識する必要がなく、音楽を聴いたり、電子メールを受信するなど、外出先でやりたいことだけを考えればよいと同氏は指摘した。
「ユーザーはやりたいことだけを考えればいい」と、Ozzieは米国時間25日、当地で開かれた「VortexSF 2005」カンファレンスのセッションで語った。
先月組織再編を発表したMicrosoftが、それ以降に今後の方向性について詳しく述べたのは今回のOzzieのコメントが初めてとなる。先の組織再編には、Googleなどサービスを基盤とするライバルに対する競争力強化が目的だったとの見方もあった。
Ozzieは、Googleの台頭によってMicrosoftが「目を覚まされ」、それを契機として同社がサービスについて考えるようになったことを認めた。しかし同氏は、広告販売の分野を除いて、Microsoftが後れを取り戻そうとしているとの考えを受け入れなかった。
「この新しい経済モデルからの売上の大きさを別にすれば、個人的にはMicrosoftがサービス関連の内容で後れを取っているとは全く思わない」(Ozzie)
Ozzieのこのコメントを皮切りに幕を開けた同カンファレンスでは、同氏と会長のBill GatesがMicrosoftの計画についてさらに詳しい説明を行うものとみられている。
Ozzieは「サービス」がかなり広い意味を持つことを認めながら、複雑なサーバ管理を避けたい小規模企業向けのソフトウェアのホスティングから、すでに大量のサーバを保有する大企業への特化した製品の追加まで、同社にさまざまなチャンスがあると指摘した。
「サービスとしてのソフトウェアは、消費者から小規模企業、大企業まで、ほぼすべてユーザーによる技術の使い方を根本から変えるだろう」とOzzieは語ったが、ただしこの変化は「さまざまなタイミングとさまざまな形で現れる」と付け加えた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス