「DiskStation」シリーズの最大の特徴といえば、搭載されているOS「Synology DSM」の使い勝手のよさだ。標準的なNASだと、単純なUIで各種設定が行える程度の管理方法がほとんど。しかし、このDSMはウェブブラウザでアクセスし、仮想デスクトップのようなユーザーインターフェースで操作できるため、WindowsなどのOSを使っている人にとっては、非常にわかりやすくできている。しかも、このDSMを搭載することで、単なるストレージサーバに留まらずサーバのような使い方もできる。
DSMにはパッケージセンターが用意されていて、各種アプリをインストールできる仕組みになっている。バックアップはもちろん、SlackライクなChatシステムやカレンダー、メールサーバといったビジネス系のツールも豊富。アンチウィルスアプリも用意され、セキュリティ対策もでき、ウェブサーバとしても利用可能。もはやNASの範疇を超えている。
正直、WindowsサーバやLinuxサーバを構築するぐらいなら(サーバの使い方にもよるが)、このDiskStationを導入したほうが断然管理しやすくNAS以上の使い方ができるので、中小企業でIT技術者がいないような会社に導入をオススメしたい。
本製品は、ギガビットLANポートが2つ装備されており、2つのLANポートを束ねて利用するリンクアグリゲーションに対応している。対応したスイッチと組み合わせれば、2Gbpsでの接続となるため、複数のクライアントが同時にアクセスしたときにトラフィック増大による許容量オーバーを低減できる。最近はリンクアグリゲーションに対応したスイッチも低価格で手に入るので、同時に導入するのが望ましい。
リンクアグリゲーションの設定は、コントロールパネルの「ネットワーク」から「ネットワークインターフェース」を選択し、スイッチに合わせて利用方法を選択。スイッチ側もリンクアグリケーションするLANポートを指定すれば利用できる。
DiskStation DS918+は4ベイなので、2ベイタイプに比べて冗長性と容量とのバランスが取れる。対応するRAID機能はRAID 1、2、5、6、10など豊富だが、基本的にはSynology Hybrid RAIDを利用するといいだろう。各HDDの容量(4つのHDD容量が違っても利用できる)に合わせて最適な容量と冗長性を設定してくれるので、あまり考えずに運用できる。ドライブ構成時に保護するドライブを1台にするか2台にするか選択すれば、それに応じて利用できる容量が決まる。
たとえば、6Tバイト×4のHDDをセットし1つのボリュームで最大容量を確保したとき、ドライブ1台保護なら15.71Tバイト、ドライブ2台保護なら10.47Tバイトとなる。容量をとるか冗長性をとるかの判断は難しいが、2台同時に故障する確率は極めて低いと思われるので、1台保護で運用しても十分だろう。もし保存したファイルを絶対に消失したくなければ、別途バックアップしたほうがいい。DiskStation DS918+は、USB3.0端子やeSATA端子を備えているので、外付けHDDへバックアップしたり、バックアップアプリを利用して定期的に別のNASなどへバックアップしたりすることも可能である。
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