企業のクラウド導入の現状と課題とは? 今後のITインフラのあり方の今後を考える座談会(前編)

CNET Japan Ad Special2012年12月03日 11時00分
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 ZDNetでは7月、「国内企業の9割がクラウドを重視--理想はプライベートクラウド」と題する記事をITR社の調査結果を基に掲載した。この中で回答企業の77.8%は「クラウドサービスを積極的に活用していくべき」との意向を示し、中堅以上の企業で次世代IT基盤の選択肢としてクラウドが完全に定着していることを示唆しする結果となった。同時にIT関連コストの最適化を進めるため、「アウトソーシングを積極的に推進する」との傾向が強いことも示されている。

 いま企業のIT部門は、既存システムのクラウド化についてどのような課題や認識を持っているのか。今後はどのような構築、運用形態をとり、自社システムのどこからどこまでを優先的にクラウド化していくべきか。その上での課題やベンダーに求める要件は何なのか--。こうしたテーマについて、クラウドを利用する側の企業として、コニカミノルタホールディングス、ローソン、ゼンリンの3社に集まって頂き、座談会形式でディスカッションを行った。モデレータはITジャーナリストの新野淳一氏が努め、終盤ではクラウドベンダーとしてインターネットイニシアティブ(IIJ)も議論に加わった。

参加メンバー

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー
新野淳一氏(モデレータ)
コニカミノルタホールディングス株式会社 IT業務改革部長 田井昭氏 株式会社ローソン ITステーション システム基盤 部長 髙原理彦氏 株式会社ゼンリン 経営戦略室 マネージャー
渋谷健氏

IT先進各社のクラウド戦略

新野: 今回は、日本の企業がクラウド利用をどのように考えているのか、ディスカッションしながら明らかにしていこうと思います。まずは、皆さんの会社がITに取り組んでいるテーマについてご説明していただいた上で、クラウドに取り組んでいるか、もしまだ取り組みが行われていないのならそれはなぜなのかについて議論を進めたいと考えています。

田井: コニカミノルタグループは、複合機(MFP)の情報機器事業を中心に、光ディスク用ピックアップレンズなどの光学事業、液晶パネルに利用するTACフィルムなどの機能材料事業、デジタルX線画像診断システムを扱うヘルスケア事業、独自の光センシング技術で様々な産業に貢献する計測機器事業などで構成されています。

売上全体の約7割が海外で生み出されており、中期経営計画「Gプラン2013」に沿って今年からグローバルIT戦略を策定し、海外の各拠点の情報システムを統合するなどの実行フェーズに移している中の1つの施策として、クラウド戦略が置かれています。

髙原: ローソンでは、国内に1万店強の店舗展開を行う一方で、中国やインドネシアなどの海外展開も開始しています。情報システム部門では、店舗内のPOSや情報端末からのデータをセンターに集約して処理する仕組みや、人事や会計のバックオフィス系の仕組み、メールやグループウェアなどのコミュニケーション系の仕組みなど、システムを一括して管理しています。

 コンビニではさまざまなサービスを行うため、24時間/365日安定してシステムを維持管理するほか、世の中にスピード感をもって対応するためのアプリケーションの開発やそれを支える安定したインフラの構築が課題です。

渋谷: ゼンリンは詳細な住宅地図を提供している企業です。年間延べ28万人の調査員が日本全国を歩き回って全ての店舗や住宅を調査し、それを地図帳や地図データ化してWeb用やカーナビ、スマホ向けに提供しています。また、「スマートシティ」をテーマとする事業化の検討も進めており、企業や自治体、大学などとどのようにリンクさせていくかを考えているところです。

 現在、クラウド化を始めとするITをどのように統合してドライブしていくか、は大きなテーマとなっています。セキュリティ面も含め、業務の実態を踏まえた上で、何をどこまで対応すべきかを整理することが直近の課題です。

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