従来のプラットフォームサービスは実行環境のみを提供するものが多かったが、ニフティクラウド C4SAは実行環境のみならず、開発環境と、さらにはそのままサービスを提供できる運用環境も備えるトータルなプラットフォームになっているのが特長だ。
そのため、面倒な作業をなくし、SNSアプリやスマホアプリなどのよくある機能を次々に部品化して、それらをユーザー同士が融通し合い、組み合わせることで簡単にアプリケーションが開発できる世界を目指すという。
「ニフティクラウド C4SAは、全てのクラウドプラットフォームの抽象化、ブリッジ化を行うことで、エンジニアやデザイナー、クリエーターが何かアイデアを形にし、他のユーザーに提供したいと思った時に、最適と思われる方法を選択してすぐに使うことができる環境にしたい。ぜひ、多くの方に使ってもらい、いろいろな意見をいただき、ニフティクラウド C4SA自体ももっと成長させたいと思っています」(五月女氏)
第1ステップ:コンテクストを選択。アプリケーション、サービスなどを作成するための言語(実行環境)やファイル・データベースなどのデータストア、開発を容易にするアプリケーションフレームワークなどのコンテクストを選ぶ。 |
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第2ステップ:キャンバスに展開。キャンバスとは、CPUやメモリなどアプリケーションを実行するためのリソースをラッピングしたもので、選択したコンテクストを個別にインストールする。メモリは512MB、ローカルディスクは1GBが基本スペックとなっており、月額945円で利用できる。必要に応じて2GB(メモリ)、10GB(ディスク)までスケールアップが可能で、キャンバス自体も最大20キャンバスまで連携させることができる。 「ボタンを1つクリックするだけでコンテクストをキャンバスに展開でき、もうサーバーのセットアップに悩まされることはない」(五月女氏) |
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第3ステップ:アプリケーションをデプロイ。ブラウザの中にあらかじめエディターが実装されており、アプリケーションを作成することが可能なほか、既にアプリケーションを作っているのであれば、gitやWebDAVといったデプロイツールでキャンバス上に展開もできる。 「この3ステップだけでアプリケーションやサービスを公開可能です」(五月女氏) |
ニフティクラウド C4SAは、サービスとして今後はどのようなロードマップを描いているのだろうか。例えば同サービスと競合するようなソリューションとしては、海外などでPaaSのデファクトともなりつつある「Heroku」などもある。だがPaaS市場自体が未開拓であり、今後PaaSのあるべき姿を示し、ユーザーに受け入れられれば、ニフティクラウド C4SAが国内スタンダードになる可能性もあるだろう。このあたりについてニフティ側では、「ニフティクラウドはすでに1,200社の企業様にご利用いただいています。ニフティクラウドブランドとして、ビジネスでも活用できるPaaS環境を提供し、スピード感を持って機能のエンハンスを行っていきたい」と強調している。また、距離が離れた複数の開発者同士が、顔を合わせずに有機的にチームを組んでシステムを開発する機会も増えているため、今後ニフティクラウド C4SAでコラボレーション機能がさらに強化されれば、オフショア開発やクラウドソーシング(crowdsourcing)の有効な手段にもなるはずだ。
プレゼンを行った五月女氏も、「ニフティクラウド C4SAが本格的に始動したことで、他の国内PaaSも本気になって開発を進めるだろう。これからはクラウドも面白い市場が形成されるのではないか」と市場全体の盛り上がりに期待したうえで、ニフティ独自の強みを、より強化していきたいと語っていた。
今回紹介した、ニフティクラウド C4SAのオフィシャルサイトはこちらだ。
無料キャンペーンなどの情報もあるので、参考にして頂きたい。
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