「アイデアをカタチにするだけなら他のPaaSでもできる。大事なことはアイデアをビジネスにすること」
続いて登壇し、こう話すのは、co-meeting 取締役CTOでパブリッククラウドエバンジェリストの吉田雄哉氏だ。同社は法人向けSaaSを開発するベンチャーで、吉田氏はニフティクラウドを使っているユーザー企業の立場でもある。
「IaaSならインフラ運用に必要な専門的な人員をあたかもレンタルすることができるため、当社のような資本規模で実質4人という少ない人的リソースでも、複雑なサービス形態を運用することができるのがクラウドの優れた点」
そう語る吉田氏は、さまざまなPaaSにco-meetingが引っ越しできるかどうかを検証してみたという。Windows AzureはIaaSの一部をPaaSに置き換え可能な自由度の高いレベルにあるものの、Rubyがサポート外な点が課題。Herokuはアドオンが多い半面、快適に使うには工夫が必要だという。
一方のニフティクラウド C4SAはどうか。「MongoDBやRedisが未対応なことが難点だが、ニフティクラウドストレージもエンハンスされ使いやすくなり、IaaSとPaaSが組み合わされることによって、複雑なサービスや要求度合いが高いサービスも受け止められるPaaSは、国産では他に類を見ない」(吉田氏)という。
このほかイベントでは、ニフティクラウド C4SAを使った簡単アプリの紹介や、ニフティクラウド C4SAのベンチマークテスト結果の報告、ライトニングトークなどが披露され、会場は大いに盛り上がった。
では改めて、ニフティクラウド C4SAの特徴とは詳しく何だろうか?会場で直接インタビューを行った。
五月女氏が強調する第一のポイントは、開発をより早く簡単に可能にすることだ。ハードウェアの管理や環境構築作業が不要なのはもちろん、アプリケーション実行環境の構築がわずか1分程度で可能になるほか、ブラウザ上に一通りの機能が備わっているので、特別な知識がなくてもいつでもどこでも開発を行うことができる。Twitterやfacebookなどのソーシャルアカウントでログインできるようになっているので、特別な知識も、面倒なアカウントを取る必要もない点がユニークだ。
国内の高信頼データセンターで運用され、1200社以上が利用するニフティクラウド上でPaaSが利用できるので、一定のサービスレベル基準が求められるビジネス利用にも十分に耐えられる環境品質も備えている。
2つ目に、必要なものを必要な時に作ることができること。サービスを開発するにあたり、将来100万人、1000万人が利用するようになることを想定したハードウェアのサイジングやインフラ業者との契約を心配することはもはや不要だという。メモリやディスクの追加を1クリックで可能にするスケールアップサービスや、トラフィックに応じたノード増設を可能にするスケールアウトサービス(8月から開始)など、アプリケーションの負荷分散サービスは万全という五月女氏は、「何も心配せず、まずはものを作り始めよう」と呼びかける。
ニフティクラウド C4SAでは2012年8月現在、以下の機能が提供されている。
キャンバス | メモリ:512MB、ローカルディスク:1GB |
言語 | Ruby、PHP、Python、Perl、node.js(予定) |
フレームワーク | Ruby on Rails、CakePHP、Tornado(予定)、Django、Catalyst(予定) |
アプリケーション | WordPress、EC-CUBE、Pukiwiki、Concrete5、CandyCane |
データベース | MySQL(共有) |
デプロイ | git、WebDAV、ブラウザー内蔵エディター |
ジョブ | Cron |
コラボレーション | キャンバス共有機能 |
サポート | コミュニティサポート(github内) |
SLA | なし |
そして3つ目が、共同開発を可能にすること。友人や同僚、取引先、あるいはエンジニアやデザイナーを含めたチームでのシームレスな共同開発・共同運用をサポートするコラボレーション機能を今後増やしていくという。
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