Webアプリやサービスの開発者から注目を集めているPaaS(Platform as a Service)。純国産PaaSとしてついに正式サービスが開始された「ニフティクラウド C4SA」の Meetupイベントから、サービス開発者の意気込み、ユーザーの生の声をレポートする。
WebアプリケーションやWebサービスを開発・提供したい企業にとって、パブリッククラウドの普及は大きな追い風だ。ハードウェア導入など初期投資を抑え、環境構築の手間もかからずサービス開始までの時間を大幅に短縮できるからだ。だったら開発環境そのものも、必要に応じて素早くクラウドで調達したい。それにより、より迅速・機敏なビジネスが実現できるだろう--、ということで昨今注目されているのがPaaSをめぐる動きである。
「ニフティクラウド」を提供するニフティが2012年5月よりクローズドβ版で運用していた「ニフティクラウド C4SA」も、そうしたPaaSサービスだ。「アイデアをカタチに」を掲げアプリケーションプラットフォームサービスを提供してきた同サービスが、7月31日から正式にローンチした。それを記念して開催された「ニフティクラウド C4SA Meetup!」イベントに参加し、サービス担当者に直接インタビューした。
※わずか1分でアプリケーション実行環境を構築することも可能なのがニフティクラウド C4SA。機能の詳細などは、3ページ目で詳しく解説している。
「Web開発者や一般のコンシューマーが持っているアイデアを、モノやサービスなどのカタチにして他のユーザーに“すばやく”提供する際に、障害となる敷居を極端に下げるためにはどうすればいいのか。それを実現するプラットフォームを作ろうと考えた」
イベントのトップを切ってプレゼンターとして登場した、ニフティ クラウド事業部 クラウドビジネス部 五月女雄一氏は、そもそも、IaaSで定評のあるニフティクラウドが、PaaSのニフティクラウド C4SAを提供するに至った目的について、こう説明する。
ちなみに、C4SAとは、Cloud for Scalable Application(柔軟なアプリケーション開発のためのクラウド環境)を意味する名称で、もともとは東京大学情報科学科のメンバーを中心に2006年に創業した技術系ベンチャー、リアルグローブが開発したアプリケーション開発支援プラットフォームがベースとなっている。開発初心者にとってはWebアプリの開発を簡単に楽しく始められるツールであり、開発熟練者に対してはサーバー環境設定などの煩雑な作業から解放してプログラミングやデザイン、企画作業に集中するためのツールとして開発された。
その目指すべき方向性として、五月女氏は、「ブラウザから利用できるマニュアル不要のサーバーをテーマとして掲げている。開発だけではなくユーザーが安心して使えるよう、運用まで簡単に実施できるプラットフォームであり、他の開発者との共同作業や共同運用を可能にするコラボレーションを促進しているのが特徴」と述べる。
そのため、このニフティクラウド C4SAは、アプリケーションを勉強したいがサーバーやOSなどの環境構築にまでは手が回らない初心者プログラマーやデザイナー、アプリケーション開発に没頭したいサンデープログラマー、インフラや環境を意識することなく迅速にサービス展開を実施したいビジネスレイヤーなどに使ってほしいという。
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