2.自民党のe-Japanへの取り組み
--自民党では、どのような体制でそれらの政策提言をまとめあげたのでしょうか?
平井: 基本的には与謝野馨政調会長(今年10月に額賀福志郎氏から交代)がヘッドになっている「e-japan重点計画特命委員会」があります。こちらは審議は公開で行われていて、わりと全体的な議論を行っています。一方で、私が座長をしている「戦略強化チーム」はその委員会で審議されていく事項を実際に詰めていくチームで、こちらはクローズドで頻繁に会合を持っています。これが報道で言われるところの「自民党若手議員のITについての取り組み」になります。
e-Japan特命委員会では政府に対しての申し入れを3回やっています。まず2001年11月に行った、IT政策の加速・前倒し実施に関する緊急申し入れでは、IT関連予算の重複排除や厳正な査定、光ファイバーの利用促進等について。次に、2002年8月の電子政府に関する申し入れ。ここではCIO連絡会議やIT予算枠の設定、執行の自由度の確保について扱いました。2003年3月の電子政府及びCIO連絡会議に関する申し入れでは、CIO補佐官の創設とCIO補佐官連絡会議の設置、レガシーシステム改革についての申し入れをしました(※注6)。その成果としては、ダークファイバの開放、集合住宅のIT工事の容易化、CIO補佐官の全省庁採用、調達制度の改善(安値入札の防止)等が上がっているところです。
--永田町でのITに関する動きを見ていると、政権党というアドバンテージはあるとはいえ、民主党より自民党の方が積極的に動いているように見えますが、その辺についてはどうなんでしょうか。
平井: 特に戦略強化チームについて言えば、若手がバリバリ動ける体制を作れているのが大きいのではないでしょうか。もちろん、民主党にもITに知見のある若手議員さんは居られます。例えば松井孝治さん(参院京都選挙区選出)とかはよく勉強されていますね。でも正直なところ、IT政策については現状、自民党が民主党に大きく水を開けている状況だと思います。その理由は特に自民党の若手には民間企業での職務経験がある議員が多く、関心を持ってやっているということ、そして、問題提起するだけではなく、実際にヒアリングなどを重ねて解決策を作るという地味な作業を積み重ねてしっかりと成果を役所に要求しているからなのだと思います。
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