ドコモ系スタートアップのSUPERNOVAとNTTコミュニケーションズは6月16日、中小企業向けの生成AIサービス「Stella AI for Biz」の提供を開始した。SUPERNOVAは、ドコモグループの新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」からスピンアウトしたスタートアップの第1号だ。
近年、人手不足への対応や売上向上を目的とした生成AIの法人利用が注目されている。しかし中小企業では「どの生成AIを選べばよいかわからない」「導入後に活用できるか不安」「環境構築が困難」といった課題から、効果が見込まれるにも関わらず導入が進んでいない状況が続いている。
NTTコミュニケーションズの調査によると、中小企業の約30~40%が人手不足や生産性向上に課題を抱えており、生成AIの利用について4社に1社が前向きな姿勢を示している一方で、実際に利用している企業は13%にとどまっている。
Stella AI for Bizでは、Gemini、GPT、Claude、Grok、tsuzumiなど複数の最新AIモデルを使いやすいインターフェイスで利用でき、業務に応じて最適なモデルを選択できる。月額料金は1980円(税抜)/ID/月で、後述する使いこなしサポートも含まれる。
また、WebやRAG(企業固有の内部情報を参照)による情報検索、DeepResearchなどのエージェント機能にも対応し、幅広い業務での活用できるとしている。文章生成から画像生成まで、各AIモデルの特性を活かした使い分けができる点が特徴となる。
会社内の各部署やチームごとにワークスペースを作成し、業務に最適化されたAI活用のテンプレートやRAGを共有できる機能も提供する。これにより、AI活用のノウハウが組織内に蓄積され、リテラシーに関わらず誰でもAIを効果的に活用できる環境を構築できるとしている。
なお、通常はクレジットを消費する形で各モデルを利用するが、提供開始に合わせ「Claude Sonnet 4」を使い放題で提供する。終了期間は未定としている。
導入時には、ガイドライン策定支援や設定サポートを提供し、導入後も勉強会の開催や専用窓口での相談対応を行う。AIの活用状況に基づいたアドバイスや事例共有を通じて、組織全体の利用率向上を伴走型でサポートする「使いこなしサポート」を標準で提供する点も特徴だ。
セキュリティ面では、入力した業務情報や出力結果をAIモデルの学習に利用しない仕様となっており、特別な環境構築なしに申し込み後すぐに利用を開始できるとしている。
NTTコミュニケーションズで常務執行役員 ソリューション&マーケティング本部長を務める本髙祥一氏は「生成AIを使っていかないとビジネスとして今後成立しないだろうと危機感をもっている企業が多い」といい、そうした企業向けにStella AI for Bizを提供するとした。
また、今後についてはAIエージェントの展開も視野に入れているとした。
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