宇宙では常に何かが起きており、人類はそれをこれまで以上に素早く鮮明に記録している。宇宙望遠鏡や宇宙飛行士、探査機が、宇宙の多様性と驚異を映し出す写真を地球に送り続けている。この記事では、2025年に入ってから公開された注目の宇宙写真を紹介する。
地球以外の天体だけが注目を集めたわけではない。欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「Sentinel-2」は、1月にカリフォルニアで発生した壊滅的なパリセーズ火災を捉えた。
1月7日の画像には、太平洋上に長く伸びる巨大な煙の柱が写っている。これはロサンゼルス郡で住宅や建物を焼失させた一連の山火事の始まりにすぎなかった。
米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であり卓越した天体写真家でもあるDon Pettit氏は2月下旬、国際宇宙ステーション(ISS)から見た息を呑むような地球の姿を公開した。「夜明けの宇宙の色。新しい1日が何をもたらすかを見るのは決して飽きない」(同氏)
この写真には、地球、渦巻くオーロラの光、そして満天の星々が収まっている。
月への軟着陸は難しい。Firefly Aerospaceは3月、「Blue Ghost Mission 1」でそれを成し遂げた。ブルーゴースト着陸船は月面からの歴史的な日の出を捉えた。クレーターだらけの月面の地平線から太陽が光を放つ様子が写っている。
多くの月探査は、Intuitive Machinesによる2025年の挑戦を含め、失敗に終わっている。だからこそ、Blue Ghostの日の出写真はひときわ胸に迫る。これは苦労の末に得た成功の証しだ。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は3月、ハービッグ・ハロー天体「HH49/50」の衝撃的な姿を届けた。NASAはこの天体を「近くの原始星から吹き出す泡のようなもの」であり「宇宙の竜巻」だと説明している。左上には遠方の渦巻銀河も見える。
ハッブル宇宙望遠鏡は4月に軌道投入35周年を迎えた。NASAとESAは記念に、火星や棒渦巻銀河などの写真を公開した。
その中から1枚を選ぶのは難しいが、ロゼッタ星雲の一部およびガスと塵の雲を捉えた幻想的な光景が際立っている。ロゼッタ星雲は星形成が活発な場所だ。ハッブル宇宙望遠鏡はその小さな一角を捉えている。
NASAの宇宙飛行士Nichole Ayers氏は5月の「フラワームーン」を捉えた。ISSという特等席から、この輝く満月を撮影した。
同氏は地球をフレームに収めた一連の写真を公開し、この青い惑星と月の関わりを強調した。
NASAの探査車「Perseverance」は2021年初頭から火星を動き回っている。5月10日には1500日目を記念して新しいセルフィーを撮影した。ロボットアーム先端に搭載されたカメラで多数の画像を撮り、それらを合成してセルフィーを作成している。
画像をよく見ると、背景でダストデビル(塵旋風)が渦を巻いているのが分かる。「背景にダストデビルが写り込んだことでクラシックな一枚になった」とPerseveranceの画像科学者Megan Wu氏は述べた。「これは素晴らしい写真だ」。
まだ2025年は半ばにも達していない。満月、オーロラ、ロケット打ち上げ、流星群がこれからも見られるだろう。人工衛星は地球を見守っている。宇宙望遠鏡は宇宙を見つめ、私たちに宇宙からの便りを送り続けてくれる。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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