ispace月着陸船が通信途絶、成否不明--最終テレメトリは「高度マイナス223m」(更新)ミッション断念

 宇宙ベンチャーのispace(東京都中央区)が6月6日未明に挑んだ小型月面着陸船「RESILIENCE(レジリエンス)」による月面着陸で、着陸直前に通信が途絶え、成否が不明の状況となった。

 (追記)ispaceは都内で会見を実施。着陸船は月面にハードランディング(衝突)した可能性が高いとの認識を示し、ミッション継続を断念すると明かした。

RESILIENCEが月周回軌道上から撮影した地球 RESILIENCEが月周回軌道上から撮影した地球
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 ispaceは、公式YouTubeチャンネルで午前3時10分からライブ配信を行い、同日午前4時17分の月面着陸を目指していた。しかし、着陸予定時刻の1分45秒前、ランダーの高度が50メートル、速度が時速187キロメートルを示した。その3秒後に速度が「-」表示、高度がマイナス223メートルとなって通信が途絶した。

ispaceからの最後のテレメトリ ispaceからの最後のテレメトリ
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 ispaceは昨年4月にも初の月面着陸ミッション「Mission 1」を実施したが、こちらは機体の高度を誤判断して失敗している。今回の「Mission 2」は同社にとって再挑戦であり、成功すればアジアの民間企業として初の快挙となるはずだった。

 「RESILIENCE」は月の北部に位置する「氷の海(Mare Frigoris)」を着陸地点としており、小型ローバー「TENACIOUS(テネシアス)」など複数の探査機器を搭載している。

RESILIENCE RESILIENCE
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 現在ispaceは、ランダーとの通信再確立を試みつつ、原因究明に向けてデータの解析を急いでいる。

 同社は、月と地球間の新たな経済活動を目指す「シスルナ経済圏」の構築を掲げ、頻繁かつ低コストな月探査サービスの提供を目指している。月面は地下に豊富に存在すると考えられる氷を資源として活用し、今後の深宇宙探査の拠点になるとも言われている。

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