「スマート植木鉢」は本当に使える?45日間試した結果

Maria Diaz (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年06月04日 15時33分

 筆者は植物が大好きだが、育てるのが得意なわけではない。家にある多くの植物は、元気に育つというより「生き延びている」状態に近い。それでも世話をするのは楽しくて、気がつけば数え切れないほどの植物を収集していた。

窓際に置かれたRejuvenate  
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 自宅に複数の植物育成ライトや、それを操作するスマートプラグ、南向きの窓のそばに植物を置いておくための道具を持っている人間として筆者は、スマート植木鉢を開発するカナダのスタートアップPlantaformなどが製品に注いでいる努力を評価している。同社の最新モデル「Rejuvenate」も例外ではない。

 Rejuvenateは室内用のスマートガーデンで、専用のライトと霧を組み合わせて種子ポッドから植物を育てるというもの。さまざまな植物を育てることができ、テーマ別のポッドパックが販売されている。例えば、レタスミックス、チェリートマトミックス、カクテル用ハーブミックス、基本のハーブ、レタスのリーフィーミックス、食用花、スーパーフードサラダミックスなどだ。

 筆者は自力でいくつかの植物を育てられるが、果物や野菜はうまくいかない。コリアンダー、バジル、オレガノ、タイム、トマト、イチゴ、レモン、オレンジ――どれも枯らしてしまった。唯一、屋外プランターでコリアンダーが2カ月ほどもった程度だ。

Rejuvenateと植物の葉 提供:Maria Diaz/ZDNET
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 Rejuvenateを開封した瞬間、青々とした葉が茂る夢が目の前で実現したような気がした。このデバイスはかなり大きく、設置面積が4平方フィート(約0.37平方m)ほどあるが、家のテーブルならどこにでも置ける。

 セットアップは簡単だが、最大限に育てるには説明書どおりに進める必要がある。ありがたいことに、セットアップ完了後は数週間おきに確認するだけでいい。

 RejuvenateではPlantaformが提供するポッドパックを使う。これは基本的に、スポンジ状の培地が入った種子ポッドだ。ポッドを水に浸し、内部のタワーに配置するだけでいい。同梱の説明書には推奨の配置も載っており、Plantaformは異なる種子ポッドを一緒に置かないよう警告している。

植物を栽培中のRejuvenate 提供:Maria Diaz/ZDNET
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 筆者は規則破りの性分で、異なる種子ポッドを一緒に置いてみた。しかし、Rejuvenateを使い始めて1カ月以上経った今では、そのようなことは二度としないと考えている。Plantaformはポッドの最適な配置と組み合わせを徹底的に研究している。組み合わせを変えることは、育成システムのバランスを乱す可能性があるため、推奨されない。

 Rejuvenateは「フォグポニクス(fogponics)」という、エアロポニクスとハイドロポニクスを合わせた方式を採用しており、水を超微細な霧に変える超音波フォガーを備えている。この霧には、セットアップ時に水に加えた肥料が含まれる。これにより、植物は常に潤い、根は空気にも触れられ、水の量は従来型の栽培と比べて最大95%少なくて済む。

 箱には必要なものがすべて入っている。種子ポッドを湿らせておくためにセットアップ時に付けるポッドカバー、水に加えるための肥料入り容器、さらにRejuvenateの掃除や水替え用のツールもある。

 筆者はRejuvenateをセットアップした後、上部の給水口と下部のタンクに水を入れ、種子ポッドに必要な量の肥料を加えた。そして、湿った種子ポッドを説明書通りに内部のタワーに配置。

暗い部屋の中でRejuvenateのライトが光る様子 提供:Maria Diaz/ZDNET
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 Plantaformアプリではあらゆるステップでアラートを受け取れるため、設定は必須だ。筆者はアプリをダウンロードし、Rejuvenateとペアリングして、種子ポッドパックを登録した。すると、アプリは手順を示し、介入が必要な場合に案内してくれる。

 数日後には種子ポッドのドームを外すよう通知が来るし、水が減れば補充のアラートも出る。補充する水の量を入力すると、必要な肥料の量をアプリが計算してくれる。

 アプリは各ステップでとにかく丁寧に案内してくれる。

Plantaformアプリの画面 提供:Maria Diaz/ZDNET
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 筆者はRejuvenateをまずテレビのある部屋の古いテーブルに置き、水漏れがないと分かったのでリビングに移した。

 1週目を過ぎれば、水位のアラートが来た時だけ介入すればいい。45日間で水を足したのは4回だけだ。収穫できるようになったとアプリから通知が来て、収穫の手順に従うと、フォガーとファンが停止し、収穫しやすいようにライトが弱くなる。

まとめ

 PlantaformのRejuvenateによって、筆者は初めて食べ物の栽培に成功した。そして、過去に植物を枯らしたときよりはるかに手間が少なかった。

 Rejuvenateのライトは日中、常に点灯していてかなり明るいが、マグネット式の色の付いた窓のおかげで気にならない。天面のボタンを押すと「パーティーモード」になり、ライトが暗くなりフォガーが起動する。宇宙船のようなこのデバイスは何だろうと不思議がる訪問者に対し、その動作を説明するのにうってつけだ。

 PlantaformはRejuvenateについて、あらゆることを考慮している。筆者が電化製品をこのように称賛するのは珍しいことだ。同社は、園芸経験の有無を問わず誰でも自宅で食材を育てられる、練り上げられた製品を作り出したと言える。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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