コーラ缶ほど小さいプロジェクター「Nebula Capsule Air」は買いか?正直レビュー

Geoffrey Morrison (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年06月02日 15時40分

 Ankerのプロジェクターブランド「Nebula」から、コーラ缶サイズの最新モバイルプロジェクター「Capsule Air」が登場した。筆者は過去にNebulaブランドの「Capsule 3」と初代「Capsule」をレビューしたことがあるが、どちらも本体の小ささを考えれば十分な性能を備えていた。特にCapsule 3は、筆者が薦めるモバイルプロジェクターの1つだ。Capsule 3と比べると、新しいCapsule Airは映像が暗い。しかしサイズはより小さく、価格もより安いため(公式サイトで399.99ドル、日本版は税込4万9990円/本稿掲載時はセールで5000円引き)、使用目的によっては多少の暗さは妥協できる範囲かもしれない。

Nebula Capsule Airの上部 提供:Geoffrey Morrison/CNET
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 モバイルプロジェクターの定めではあるが、Capsule Airも明るさは物足りず、画質も高いとは言えない。しかしコーラ缶程度の大きさしかないことを考えれば、多くを望むべきではないだろう。「Google TV」を搭載しているため、いつでもどこでも、場所を選ばずにコンテンツを楽しめる。

  1. まずスペックを確認
  2. 接続性はどうか
  3. 画質を比較してみる
  4. 結論:優秀な缶サイズのモバイルプロジェクター

まずスペックを確認

  • 解像度:720p
  • 輝度:150ルーメン
  • ズーム:なし
  • レンズシフト:なし
  • バッテリー駆動時間:2時間(エコモードでの公称値)
  • LED寿命(通常モード):3万時間

 Capsule Airは小さいため、スペックもそのサイズに見合ったものとなる。解像度は1080pでも4Kでもなく、720pにすぎないが、約2時間持つバッテリーを内蔵する。コーラ缶並みの小ささであることを考えれば十分なスペックだ。

 輝度は公称値では150ルーメンだが、筆者の実測値ではカスタムモードで84ルーメン、より画質の低い会議モードで102ルーメンだった。この数値は、他の小型プロジェクターと同程度だ。ちなみに初代Capsuleの実測値は85ルーメンだったので、ほぼ変わらない。コントラスト比は381:1(公称値は400:1)と、小型プロジェクターとしては驚くほど高い。この数値は初代Capsuleの2倍であり、最近のもっと大きく高価なプロジェクターを上回る場合すらある。

 当然ながらズームやレンズシフトといった機能はないが、本体を動かすと自動でピントを調整してくれるオートフォーカス機能を備える。スクリーンサイズは40〜100インチだが、80インチを超えると映像がかなり暗くなる。そもそも輝度は85ルーメンしかない。100インチにすると、プロジェクターをスクリーンに近づけるよう何度もメッセージが表示された。ただ、この距離でもピントを合わせることは可能だ。また、放置しておけばメッセージの嵐もやがて収まる。

接続性はどうか

Nebula Capsule Airの背面 提供:Geoffrey Morrison/CNET
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  • HDMI入力:1
  • USBポート:1 (USB-C)
  • オーディオ:Bluetooth
  • インターネット:Wi-Fi 2.4GHz/5GHz
  • リモコン:バックライト付き、アプリあり

 持ち歩くことを想定した小型のストリーミングディスプレイであるにもかかわらず、背面にはHDMI入力ポートがある。そのため、ゲーム機なども接続可能だ。Bluetoothスピーカーとしても使える。音質はサイズなりだ。専用スピーカーほどの大音量は出ないが、小さくて持ち歩けることを優先するなら十分なサウンドだ。

 一部の携帯型プロジェクターと異なり、Capsule AirにはUSB-Cポートがあり、充電のほか、USBから電源を取ることもできる。出力45W(PD2.0)のバッテリーバンクがあれば、エコモードでの再生時間を仕様上の2時間よりも延ばせる。Ankerはバッテリー一体型の三脚スタンドも販売している。このスタンドにCapsule Airを接続すれば、安定した設置が可能になる上、再生時間を2倍に延長できる。

Nebula Capsule Airのリモコン 提供:Geoffrey Morrison/CNET
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 同梱されているねじ込み式のベース(日本版には付属しない)を装着すれば、本体よりも少し高い場所に映像を投影できる。本体を傾ければ、映像を斜め上に投影できるが、映像の下端は本体の高さとほぼ同じになる。つまり、プロジェクターを床に置いた状態で、壁の高い位置に投影したい場合、ベースの角度調整機能を使えば可能だが、その場合は台形補正が必要だ。また、このベースにはCapsuleを逆さに吊るすための金属製リングもついており、壁のフックに本体を掛けて、別の壁に映像を投影できる。これは賢いアイデアだ。

画質を比較してみる

 Capsule 3は、同じNebulaブランドのモバイルプロジェクターだ。Capsule Airよりも価格は高いが、より大きく、性能も上回る。AAXAの「M8 Laser」(日本未発売)はCapsule Airと同価格帯のモバイルプロジェクターだが、設計の優先順位が違う。この3つのプロジェクターをMonopriceの1×4分配器につなぎ、102インチの画面(スクリーンゲイン1.0)上に並べて比較した。

 2つのCapsuleは、異なる点よりも似ている点の方がはるかに多い。余計な画像の「エンハンス」設定をすべてオフにすれば、快適に視聴できるだけの映像が得られる。色の再現度は非常に高いとまでは言えないが、本体の小ささと手頃な価格を考えれば健闘している。コントラスト比は驚くべきものではないが、もっと高額な通常サイズの4Kプロジェクターの多くと肩を並べる。

 では、Capsule Airよりも大きく、価格も高いCapsule 3の優位点はどこにあるのだろうか。スペックを見ると、Capsule 3は輝度が123ルーメン(公称値は200)あり、Capsule Airよりも少し明るい。コントラスト比の計測値も若干向上している。しかし並べて比べると、大きな違いは感じない。一般的なコンテンツであれば、Capsule 3の方が明るく、くっきり見えはするが、劇的な差ではない。筆者ならCapsule Airを使い、画面サイズを小さくすることを選ぶ。

 Capsule 3も決してかさばるわけではないが、Capsule Airに比べれば明らかに大きい。容積は1.5倍あるため、同じリュックやバッグに入れたときに、Capsule Airとの差を実感しそうだ。また、Capsule Airの方が価格が安い。筆者はレビューをしていないが、Nebulaブランドには「Capsule 3 Laser」というモデルもあり、Capsule AirやCapsule 3よりも明るいが、価格はさらに高い。つまりCapsuleシリーズについて言えば、サイズが大きい方が性能も高いが、その差は軽微だ。Capsule Airも十分な性能を備えており、かつサイズと価格では勝る。筆者がモバイルプロジェクターに求めるものはサイズと価格だ。

Nebula Capsule Airの底面 底面
提供:Geoffrey Morrison/CNET

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 一方、AAXAのM8 Laserに関しては、ちょっとした驚きがあった。筆者はAAXA製のプロジェクターをいくつかレビューしたことがある。多くの場合、サイズと価格を考慮すれば明るいが、画質は良いとは言えなかった。M8 Laserは彩度が高すぎて、ほとんどアニメのようだが、それを除けば映像は良好だった。Capsule Airと比べると、コントラスト比は3倍に迫り、はるかに明るい。明るさは通常モードでも343ルーメンある。このサイズのプロジェクターとしては驚異的だ。

 とはいえ、M8 LaserがCapsule AirとCapsule 3に勝っていると単純に言い切ることはできない。このプロジェクターはユーザーを選ぶ。例えば、ストリーミングの選択肢は限られており、Netflixはモバイル標準画質にしか対応していない。ファンの音もかなりうるさい。高い輝度を実現するために、小さなファンが死に物狂いで回転しているため、本体と近い場所で視聴する場合は気になるかもしれない。しかし、Capsule Airの85ルーメン程度の明るさでは我慢できず、かつ大きさや音、利便性が劣ることをいとわないのであれば、M8 Laserは興味深い選択肢となる。

結論:優秀な缶サイズのモバイルプロジェクター

並んだ3つの缶とNebula Capsule Air 提供:Geoffrey Morrison/CNET
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 Capsule Airは、進化を続けるAnkerのモバイルプロジェクターの最新版だ。Capsuleシリーズは世代を重ねるごとに改良され続けている。確かに明るさは足りないが、価格とサイズを考えれば妥当なトレードオフのように思われる。同梱(日本では別売)の角度調整可能なベースもいい。追加の出費にはなるが、別売の三脚スタンドも便利だ。キャンプにプロジェクターを持って行きたい、あるいは地下室を即席の映画館にしたいなら、Capsule Airの優れた携帯性が威力を発揮するだろう。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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