Nintendo Switch 2(スイッチ2)の『マリオカート ワールド』は、今追い抜こうとしているカートの上に友人の顔がふわりと表示されるだけで、ぐっと面白さが増す。私は今、姉妹サイトのスタッフ数名と任天堂の担当者に囲まれながら、ノックアウト・ツアーの勝負で必死に生き残ろうとしているところだ。
我々は「スイッチ2」にカメラを接続し、顔の動きをリアルタイムでトラッキングしながら遊んでいる。そのため、プレイヤー4人分の表情がそのままゲーム画面に映し出され、それぞれのカートの上をぷかぷかと漂っている。舌を出したり目をぐるっと回してみたり、さらには耳のドアップを見せつける人まで現れた。
任天堂は、スイッチ2が初代からどれだけ進化したのかを盛んにアピールしている。数カ月前に丸一日かけて試遊したのに続き、今回さらにもう一日、発売直前に触ることができた。
今回は、『マリオカート ワールド』をじっくり遊び込み、新機能の「ゲームチャット」も試した。これはスイッチ2から導入された多人数同時の音声&ビデオチャット機能だ。
まだ手元に正式なレビュー機が届いていないため、スイッチ2の詳細なレビューはできない。ただ、今回の試遊から強く感じたのは、スイッチ2は確かな未来を感じさせてくれるという点だ。
ゲームチャットは待望の新機能で、カメラを使ったプレイ体験は思った以上に没入感が高く、不思議な魔力すら感じる。そして何より『マリオカート ワールド』は最高に楽しい。特に24人同時の混沌としたマルチプレイを一度体験したら、元の環境には二度と戻れなくなりそうだ。
私の12歳の息子は、友達とビデオ通話をつなぎっぱなしでゲームを始める。みんなで同じゲームを遊ぶこともあれば、それぞれ全く違うゲームを遊びつつ、たまに雑談を挟んでいるだけのこともある。
先日の任天堂の体験会で初めてスイッチ2の新機能「ゲームチャット」に触れたとき、真っ先に頭に浮かんだのがこの息子の遊び方だった。
ゲームチャットは右のJoy-Conに新設された「Cボタン」を押せばすぐに起動し、音声チャットなら最大12人、ビデオを使ったチャットなら最大4人までのグループを作れる。
チャットを開始するには、事前にスイッチ2のフレンドリストから招待しておく必要がある。このため、突発的な交流にはやや向かないが、親にとっては安心感がある。一度招待を済ませておけば、その後のチャット起動は驚くほど手軽だ。
チャット中は、マイクやカメラ映像、ゲーム画面のオンオフを切り替えられる。音声だけで友達の声をBGM的に流しておくのも良いし、最大3人までの友人の顔やプレイ中の画面を分割表示で並べることも可能だ。
なお、顔を表示させるためには別売り5980円の「Switch 2カメラ」が必要だ。背景も含めて小窓表示したり、顔や上半身をゲーム画面に合成したり、さらには顔の一部だけ(例えば耳や目)を丸くトリミングしてズーム表示することも可能だ。
映像は決して高精細ではないが、友人がリアクションしている様子が見えるだけで、不思議なほど「つながっている感」が増す。同じゲームを一緒に遊ぶ必要もないため、ゲームを楽しみながら自由にしゃべれる「バーチャルな遊び場」といった感覚に近い。
カメラがプレイヤー4人の顔をリアルタイムに追尾して個別にズームし、それぞれのカートの頭上にオーバーレイ表示する様子は、まるでARのような驚きだ。今夏のアップデートでカメラ機能が強化される『マリオパーティ ジャンボリー』で見かけた「ちょっとした魔法」を思い出す体験だった。
今回筆者はマリオカート ワールドを数時間かけてじっくり遊んだ。自由気ままにフィールドを探検し、様々なモードを試し、さらに23人とのオンライン対戦に挑んだところ、完全に虜になってしまった。
マリオカート ワールドの最大の魅力は「自由な探索要素」だ。広大なオープンフィールドのあちこちに仕掛けが散りばめられていて、気の向くまま走っているだけで秘密のエリアや隠しコースに迷い込んでしまうこともある。
特にフリーランモードでは、『スーパーマリオ』の3D作品のような「Pスイッチ」を見つけてはタイムアタックを楽しみ、報酬を手に入れる――。そんな自由奔放な遊び方が可能だ。
今回走ったコースはラップごとに風景を変え、対戦やノックアウトツアーで競い合う間にいつのまにか別のコースに続いていることもある。ゴール後も次のコースへの移動がレースの一部として途切れずに続くため、次はどこに向かうのかという期待感が絶え間なく続く。
この感覚は、周回コースが中心だった従来のマリオカートにはなかった斬新さだ。まるで『Forza Horizon』シリーズを遊んでいるようだ。
24人でのマルチプレイは、はっきり言ってカオス。コースが広めに設計されているとはいえ、大量のカートが激しくぶつかり合い、まさに『マッドマックス』並みの荒れたレースが展開される。だからこそ、勝ち残ったときの爽快感と達成感は格別だ。
特に印象深いのが新モード「ノックアウトツアー」だ。各コース終了時に一定数のプレイヤーが容赦なく脱落していく。まるでバトロワ系ゲームのレース版だが、個人的には断然こちらのほうが面白い。ゲーム記者だらけの熾烈なバトルの中で6位に食い込んだときには、自分でも驚くほど興奮した。
キャラクターも魅力たっぷりだ。牛になって走り回ったり、イルカやカニとして疾走したり、奇妙で楽しい選択肢が豊富で、次は何になろうかと選ぶだけでも楽しくなってくる。
また、24人で挑んだバトルモードにも挑戦した。広大なマップを駆け巡りながらコインを奪い合ったり、風船を割り合ったりする対戦はもちろん楽しいが、レースに比べると目的がやや曖昧で、偶発的な印象が強かった。
今回の試遊はほとんどTVモードでプレイしたため、スイッチ2のグラフィック性能が初代Switchより確かに向上していることを実感した。ただ、劇的な進化とまでは言えない。携帯モードも試してみたが、1080pのLCDは非常に綺麗で見やすかった。
もしスイッチ2を買うなら、『マリオカート ワールド』がマストバイなのは間違いない。それだけの価値は十分にある。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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