スターシップ3連続失敗、マスク氏は前向き「有益なデータをたくさん得た」--火星移住へ試験加速

 スペースXの巨大宇宙船「スターシップ」は制御を失い、激しく回転しながら地球の大気圏に再突入して崩壊。地上管制との通信は途絶した──。

SpaceX SpaceX
※クリックすると拡大画像が見られます

 日本時間5月28日朝に実施されたスペースX「スターシップ」の9回目の試験飛行は、3連続の失敗に終わった。

 今回の試験は、7回目の試験飛行で「箸でキャッチ」した第1段(Super Heavy)を再利用した。いくつかの部品は交換したものの、33基のラプターエンジンのうち、29基はそのまま再使用した。この第1段は、第2段のスターシップを無事宇宙空間に送り届けたが、海上への正常な帰還は成功しなかった。

 一方、第2段のスターシップは順調に飛行を続けていたが、途中で制御を失い、激しくスピンしながら地球の大気圏に再突入し崩壊した。地上管制はこの時点で通信を喪失した。

 スペースXはX(旧Twitter)への投稿で「十分スリリングな飛行だったが、残念ながらスターシップは急激で想定外の分解を起こした。チームは今回のデータを詳細に分析し、次の飛行に向けて改善に取り組む。このような試験では『何を学んだか』が成功の鍵だ。今日の試験は、スペースXが人類を多惑星種へ導くために必要なスターシップの信頼性を高める上で重要なステップとなるだろう」とコメントした。


 また、イーロン・マスク氏はXで「スターシップは予定どおりエンジンを停止できた。これは前回より大きな進歩だ。さらに上昇中に耐熱タイルが大きく剥がれることもなかった。一方で、(タンクの)漏れが原因となり、慣性飛行中と再突入中に主タンクの圧力が低下した。詳しく解析できる貴重なデータがたくさん得られた」と述べた。

 連邦航空局(FAA)はスペースXに対し、今回の失敗の原因や次回打ち上げにおける安全対策について報告書の提出を求める方針だ。一方、同社CEOのイーロン・マスク氏は、今後の試験飛行に関する承認プロセスは迅速化すると期待を示した。

 マスク氏は「今後の3回の試験では、打ち上げ頻度は3~4週間に1回程度と、これまでよりもスピードアップするだろう」とも述べた。

Amazonで現在開催中のセールを見る

コンセントに挿して充電器にもなるAnkerのモバイルバッテリー(価格をAmazonでチェック)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]