楽天モバイルら、「飛行機では機内モード」の常識覆す「機内ローミング」提供--安全性どう確保?

 「フライト中は機内モード」という常識は、いずれ完全に過去となりそうだ。

 楽天モバイルとソフトバンクは、「機内ローミング」の提供を開始している。英国の通信会社「AeroMobile」との提携で実現した同サービスでは、ユーザーは飛行中でもスマートフォンの機内モードを条件付きで解除できる。そして、携帯回線を通じて衛星経由でインターネットを利用できる。(ソフトバンクはOnAirとも提携)

楽天モバイルの機内ローミング 楽天モバイルの機内ローミング
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 同サービスは、18の航空会社の対象機で利用可能だ。代表例はアシアナ航空、ルフトハンザ、キャセイパシフィック、シンガポール航空、エミレーツ航空、ITAエアウェイズ、エジプト航空、スイス航空、エバー航空などだ。現時点では国際線に限られ、さらに日本上空では利用できない。

利用できる航空会社(出典:楽天モバイル) 利用できる航空会社(出典:楽天モバイル)
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 料金については、楽天モバイルの場合、「Rakuten最強プラン」に含まれる月間2GBまで無料の「海外ローミング」扱いとなるため、2GBまでなら追加料金は不要。ソフトバンクの場合は「海外あんしん定額」(24時間980円から)の契約があれば追加料金なしで利用できる。

安全性は

 気になる安全面だ。従来より「航空機の電子機器への影響を避けるために携帯電話は機内モードにする」という規定が一般的だったからだ。

 AeroMobileによれば、機内ローミングに対応する航空機には特別な機材が搭載されている。それが、客室の天井付近に配置された「ピコセル」だ。

 ピコセルとは、客室内だけをカバーする非常に小さな携帯基地局のようなものだ。これにより、乗客のスマートフォンは地上の基地局ではなく機内のピコセルと接続するため、端末の通信出力を非常に低く抑えられ、航空機の計器類への干渉を防止できる。

 さらに、ピコセルと同じアンテナから「ホワイトノイズ」が発信され、機内にいる乗客のスマートフォンが地上の基地局と繋がらないようにしている。その結果、スマートフォンが「電波が弱い」と誤認して送信出力を最大にするという動作を未然に防いでいる。

 ECC(欧州通信委員会)の取り決めでは、こうした機内ローミングを高度3000m以上で有効化できるが、AeroMobileではさらに安全マージンを取り、高度6000m以上でサービスを開始している。

利用可能なエリア(出典:ソフトバンク) 利用可能なエリア(出典:ソフトバンク)
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 また、離着陸時を含めた電子機器の使用が制限されている時間帯や、日本領空の通過時、携帯電話の機内利用を禁止している国の上空を飛行する場合には、機内ローミングサービスは自動的にオフとなる。

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