米半導体大手NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏は4月21日、石破茂内閣総理大臣を表敬訪問した。フアン氏は石破氏に対し、「AIエージェントの次にフィジカルAIの波がやってくる。これは日本にとって本当に重要だ」と語った。
対談の冒頭、石破総理は「日本は東京や大阪といった都市部を除き、地方の疲弊が進んでいる。地方でのイノベーションの促進が不可欠だ。(中略)生成AIは非常に革新的な技術であり、法改正などを通じて日本を世界で最もAI開発がしやすい国にしたい」と述べた。
これに対しフアン氏は、「NVIDIAが日本に進出してから30年が経つ。私が初めて日本を訪れたとき、我が社は創業から2年しか経っていなかった。最初のパートナーや投資家の一部は日本企業だった。セガ、ソニー、任天堂がいなければ、NVIDIAは今のように存在していなかったかもしれない」と述懐し、次のように語った。
「AI技術はこの15年で急速に進化した。第一の波では、コンピュータが“読む・聞く・見る”といった認識が可能になり、第二の波では、情報を生成する能力、すなわち生成AIが登場した。現在は第三の波に入っており、我々はこれを“エージェントAI”と呼んでいる。AIが推論し、問題を解決する段階に到達している」
「そして次のAIの波、それは日本にとって非常に重要だ。それが『フィジカルAI(physical AI)』だ。まもなく、AIは物理世界を理解するようになる。物理法則、因果関係、摩擦、慣性などを理解する。これは日本にとって本当に重要な時期となる。なぜなら、フィジカルAIは日本が得意とする『2つの産業』の可能性を解き放つからだ」
「日本は科学技術に深く精通しており、また産業製造分野でも強みを持っている。次世代のロボットを創り出すには、物理世界を理解するAIが必要だ。フィジカルAIやロボティクスAIは、日本だけでなく世界中の企業を革新することになるだろう。私たちは深刻な労働力不足に直面しているのだから」(ジェンスン・フアンCEO)
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