NTTドコモとSpace Compassは、ケニア・ライキピアカウンティ上空で高度約20kmの成層圏を飛行するHAPSを介し、スマートフォン向けLTE通信の実証実験に成功したと発表した。
今回の実験は、地上のLTE基地局から送信した電波をHAPSで折り返し、直接地上のスマートフォンへ伝送するという内容だ。厳密には基地局というより中継アンテナだが、空飛ぶ基地局と呼ばれることもある。
実験では、地上に設置されたLTE基地局と地上ゲートウェイ局とを接続し、成層圏のHAPSを介してスマートフォンとの双方向データ通信を確立した。4.66Mbps以上のスループットが確認され、また、HAPS機体から地上の定点に向けたビーム形成技術により、安定した通信カバレッジが実現したという。
実験に使用した機体は、エアバスの子会社でドコモも出資するAALTOの「Zephyr」だ。なお、実験場所であるケニアは赤道付近に位置し、HAPS機体がソーラー発電で電力を得るのに有利だ。より緯度が高く、単位面積あたりの太陽エネルギーが少ない日本で実用化できるのか注目だ。
今回の成果は、従来エリア化が困難とされてきた空中や海上、さらには過疎地および中山間地域への通信網拡張に向けた大きな一歩だという。Space CompassとNTTドコモは、得られた実証結果をもとに、2026年の商用化に向けたHAPSのさらなる開発を推進するとしている。
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