Appleは噂通り、新型スマートフォンの「iPhone 16e」を発表した。これまでiPhone SEが担ってきた廉価向けラインナップに、最新のデザインとプロセッサ、そしてApple Intelligenceが導入された。
iPhone 16eの発売価格は9万9800円から。先代iPhone SE(発売時5万7800円)から大幅な値上げとなった。(編集部注)円安の影響もあるかもしれないが、米国価格は599ドルで、こちらも170ドルの値上げだ。
一方、通常の「iPhone 16」は12万4800円から購入できる。iPhone 16より2万5000円だけ安いのがiPhone 16eというわけだ。手頃なスマートフォンの競合となるGoogleの「 Pixel 8a」(7万2800円)などに比べると割高感はある。
SE後継のはずが約10万円から--「iPhone 16e」は一体誰向けなのか
なお、Appleは高級モデルだけでなく、iPhone 16eにも最先端のAIを導入した。
iPhone 16eはiPhone 16と同じA18チップを搭載し、「Apple Intelligence」がしっかり動作する。これにより、廉価モデルとの位置づけながら、上位モデルと同じAI機能を享受できる。
「Apple Intelligence」を使った第一印象、「iPhoneが劇的に変わる」ほどではない
性能や仕様は、従来のiPhone SEからの進化を感じさせるが、SEならではの低価格とコンパクトさは失われてしまった。とはいえ、発売時のキャリアキャンペーンや割引で実質価格が下がる可能性もある。かつてのSE同様、どれほど長く使えるかは今後の評価次第だ。
このiPhone 16eは、2月21日(金)に予約受付が始まり、2月28日(金)に発売される。
iPhone 16eは、iPhone 14のアルミボディをベースにしている。背面はマットな手触りのガラスで、指紋が付きにくい。従来のミュートスイッチに代わり、ショートカットを起動するアクションボタンを備えるが、カメラコントロールボタンは無い。さらに、充電端子はLightningではなくUSB-Cとなり、利便性が向上している。
また、iPhone 16eの登場で、現行iPhoneから「ホームボタン」が消えることになった。
無印16と同じ6.1インチディスプレイを搭載している。リフレッシュレートは60Hzで、多くの廉価Android機種が90Hz以上を誇る中では物足りないかもしれない。
ディスプレイにはノッチが存在し、Dynamic Islandのような切り抜きは見られない。カラーバリエーションは黒と白の2色のみだ。
iPhone 16eが告げる「小型スマホの終焉」--SE後継だが無印16と同サイズに
初代iPhone SEは2016年に登場し、iPhone 5Sをベースとしたデザインで「スペシャルエディション」として話題を呼んだ。その後、2020年にiPhone 8をベースとした第2世代SE、2022年に第3世代SEが続き、いずれも手頃な価格で最新技術を提供してきた。
iPhone 16eの地味に隠れた特徴は、Apple自社設計の5Gモデム「C1チップ」を搭載しているという点だ。
Appleのプロモーションでは「iPhone史上最も省電力なモデム」をうたい、5Gに対応しているものの、スタジアムなどで見られる高速ミリ波5Gには米国モデルでも対応していない。
A18とC1の組み合わせで効率が向上し、バッテリー寿命も延びるのかもしれない。従来のクアルコム製モデムとの違いに期待したいところだ。
ただし、MagSafeに非対応で、磁気アクセサリーが使えないのは残念だ。ワイヤレス充電は7.5Wとやや遅めだが、PD対応のUSB-Cケーブルを使えば20W充電が可能だ。
iPhone 16eは4800万画素の背面カメラを搭載する。超広角レンズは無いが、高画素数を活かして2倍のデジタルズームが可能だ。
完全なデュアルカメラシステムには及ばないものの、実用性は十分といえる。フロントカメラは1200万画素で、セルフィー用のオートフォーカスも備えている。そのほか、生体認証用のFace IDセンサーも備える。
iPhone 16eは、従来のiPhone SEシリーズの精神を受け継ぎながらも、より最新技術を反映させたモデルといえる。
その名称からも、「iPhone 16シリーズの一員」ということが強調されている。今後、毎年のように、例えば「iPhone 17e」が登場するのか展開が楽しみだ。また、個人的にも実機をぜひレビューしたいと思っている。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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