アップルはSEの後継となる「iPhone 16e」で「小型スマホ」「ホームボタン」「ライトニングポート」を一気に終焉へと追いやった。
全画面デザインや顔認証、USB-Cを搭載する本モデルの登場は、小型iPhoneの消滅を意味する。個人的には非常に残念だ。
4.7インチのiPhone SEは、十分な性能と小型なボディを両立した機種だった。長年、小型スマホのおすすめを紹介してきたが、近頃は条件を満たす機種がどんどん減っている。かつてはGoogleの5.8インチ「Pixel 4a」もあったが、その後のPixelはすべて6インチ以上に、またSamsungの最新Galaxy Sシリーズも小型とは言い難い。
iPhone SEは、細身のジーンズにもすっぽり収まり、最善の性能を求める人たちの最後の希望だった。しかし、新型iPhone 16eは6.1インチのディスプレイを採用し、本体サイズは現行の「iPhone 16」とほぼ変わらなくなってしまった。
とはいえ、小型スマホファンにとって、まだ希望が完全に消えたわけではない。ディスプレイが端から端まで広がる設計に変わったことで、画面サイズの拡大に対して、本体サイズの増加は抑えられている。(とはいっても前述の通りiPhone 16とほぼ同じサイズだが)
上下の画面の余白が無くなった結果、画面が広くなった。ただ、この省スペース化により、もうひとつの存在が完全に姿を消すことになった。
それはホームボタンだ。
ホームボタンは2007年の初代からiPhoneの顔だった。2017年のiPhone Xから上位モデルで廃止されて以来、ジェスチャー操作が主流となった。
下や上からスワイプして操作するスタイルは、すぐに他のAndroidメーカーにも広まり、2018年以降に発売されたスマホではほぼ見なくなった。
しかし、iPhone SEだけは、画面サイズを犠牲にしてでもホームボタンを搭載していた。使い勝手に慣れた人にとってはありがたい機能だったが、ジェスチャー操作の普及とともに、物理的なボタンは時代遅れになっていった。
なお、ジェスチャーよりもボタン操作のほうが使いやすいという人もいるが、Appleはソフトウェアでの支援策も用意している。
そして、今回廃止されたのはホームボタンだけではない。
Apple独自の充電端子「ライトニング」だ。同端子は、大きな32ピンコネクタの代替として「iPhone 5」で初採用された。
表裏を問わず、データ転送も速いこの規格は、瞬く間にiPhoneやAirPods、iPadの標準となった。
しかし、2018年のiPad ProからUSB-Cに移行し始め、EUからの圧力を受けて2023年の「iPhone 15」で初めてiPhoneからもライトニングが廃止された。
iPhone SEは、ライトニングを搭載した最後のiPhoneのひとつだったが、それもまた過去となり、他のモデルと同様にUSB-Cを採用した。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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