グーグルは、次世代AI「Gemini 2.0」を全てのGeminiアプリユーザーに提供したと発表した。これに合わせ、グーグルは複数の新しいGemini 2.0モデルを段階的に公開していくという。
具体的には、「Gemini 2.0」は、大きく分けて4種類(Pro、Flash、Flash-Lite、Flash Thinking)ある。なかでもProは「より高度なコーディングや複雑なリクエスト向け」、Flashは「軽量かつパフォーマンス重視」、Flash-Liteは「低コスト」、Flash Thinkingは「リクエストをステップ解析してより的確な回答を返す」という特徴がある。
以下では、それぞれのモデルの特徴や新機能を整理して紹介する。
「Gemini 2.0 Pro」は、コーディング性能と複雑なリクエスト対応を大幅に強化したモデルだ。Google AI Studio、Vertex AIに加え、Geminiアプリで「Gemini Advanced」に登録しているユーザー向けにも提供される。最先端のコード生成や高度な質問応答に最適化された“最上位”モデルといえる。
アップデートされた「Gemini 2.0 Flash」は、Google AI StudioやVertex AIのAPI経由で一般公開された。従来版と比べて小型かつ効率的なため、開発者が本番レベルのアプリケーションをより手軽に構築できる。近ごろは中国発のAI「DeepSeek」が大きな話題を集めているが、それへの対抗策という意味合いもあるようだ。
「Flash-Lite」は、上記のFlashをさらにコスト面で抑えたバージョンだ。Google AI StudioとVertex AIで利用でき、グーグルによると「最もコスト効率に優れたモデル」とうたっている。DeepSeekが無料を武器にしているのに対し、グーグルはあくまで有償モデルで対抗する形だが、利用コストを抑えたい開発者には魅力的だろう。
Geminiアプリのユーザー向けに、「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」(Experimental=実験版)という特別なバージョンも公開された。Chatbot Arenaのリーダーボードでトップ評価を得ているモデルで、ユーザーのプロンプトをステップごとに分解し、複雑な質問でもより正確に回答できるのが特徴だ。
さらに「Gemini 2.0 Pro Experimental」も、GeminiアプリのGemini AdvancedユーザーやGoogle AI Studio、Vertex AIで試せる。Flash ThinkingはGoogleマップやYouTube、検索など、グーグルの主要アプリとも連携する予定があり、今後の発展に期待がかかる。
今回のGemini 2.0関連の発表は、グーグルが立て続けに打ち出しているAI関連のアップデートの一部にすぎない。先月末には、Samsung Galaxy S25シリーズに「Project Astra」が初搭載され、カメラを向けた対象物の文脈をAIが推定して情報を提供する機能が話題を呼んだ。さらに「Daily Listen」というニュース音声要約の新機能も登場している。
AI業界では、DeepSeekが大規模モデルに匹敵する性能を低コストで提供するとして注目を集めているが、その動向はまだ不透明だ。一方で、グーグルのGeminiやOpenAIの「o3-mini」など既存の大手企業の新モデルも活発にリリースされ、競争がいっそう激しさを増している状況だ。今後、どのモデルが標準的存在となっていくのか注目が集まる。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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