セイコーエプソンは1月30日、古着を繊維レベルで分解した素材を用いた「スニーカー」を製造したと発表した。ファッションデザイナーの中里唯馬氏が手がけるYUIMA NAKAZATOと共同で商品化した。
同スニーカーには、エプソン独自の繊維化技術「ドライファイバーテクノロジー(DFT)」を用いた。
DFTは、古着を繊維レベルでリサイクルする技術だ。衝撃力で素材を不織布化するため水をほとんど使わず、衣類製造で問題となる「水を多用する」との問題を解消した。
さらに、綿やポリエステルなど、異なる素材が混ざった状態の古着も不織布化できるため、多様な古着のリサイクルを実現したという。
エプソンとYUIMA NAKAZATOは、2022年にパートナーシップを締結し、環境負荷を低減しながら、個々のニーズに応える「高品質で持続可能なファッション」の進化を目指してきたという。
2023年1月からは、DFTを応用して古着などを繊維へ再生する取り組みを開始した。
中里氏は、DFTを用いて古着から繊維化した不織布シートを衣装作品の素材に採用した。その結果、中里氏が求める強度と外観の美しさを両立させる形で、スニーカーとしての商品化が実現したという。
エプソンの執行役員で商業・産業事業部長を務める山中剛は「DFTの応用によりファッション産業における資源循環の可能性を示すことができた。これらの成果は、私たちが目指す持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一端に過ぎない」とコメントした。
同スニーカーは2月3日から東京・六本木ヒルズで開催される「YUIMA NAKAZATO展」で販売されるという。
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