iPhone 16 Plusと同じ値段でカメラ性能が非常に高い「OPPO Find X8」は買いなのか

 中国のオッポは11月29日、スマートフォン新機種「OPPO Find X8」の国内発売を発表している。国内では「OPPO Find X3 Pro」以来、およそ3年ぶりとなるハイエンドモデルの投入だが、その性能とお買い得度合いはいかほどだろうか。

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 ここでは画面サイズと価格が近しいアップルの「iPhone 16 Pro」や、直接的な競合となりそうなシャオミの「Xiaomi 14T Pro」と比較しながら確認してみたい。

  1. カメラは望遠を中心として非常に高性能
  2. 高性能でAI機能強化も、日本語対応は2025年3月以降
  3. コスパは高いがFeliCa非対応、ローカライズに弱み

カメラは望遠を中心として非常に高性能

 まずは、OPPO Find X8の最大の特徴ともいえるカメラだが、OPPO Find X8はスウェーデンのカメラメーカー、ハッセルブラッドと共同開発した高性能のカメラを搭載しているのが、大きなポイントの1つとなる。シャープやシャオミがライカカメラと提携してスマートフォンカメラの強化を図っているように、オッポもここ数年来、有名カメラメーカーとの提携でカメラを強化しているのだ

 画質については実際に撮影してみないと評価しづらい部分があるが、スペックを見ると、OPPO Find X8のアウトカメラは広角・超広角・望遠の3眼構成だが、全ての約5000万画素と画素数の高いイメージセンサーを搭載し、高い性能を持つことが分かる。

 とりわけ望遠カメラは、光をW型に屈折させる「W型プリズム」という構造を採用し、光学3倍ズーム相当の撮影が可能な焦点距離を確保しながら、望遠カメラの課題となる薄型化、そして大型センサーの搭載も実現している。

 カメラの数でいえばiPhone 16 Proより多く、画素数でいえば超広角カメラが1200万画素のXiaomi 14T Proよりも上となる。しかも薄さは7.9mmと、Xiaomi 14T Pro(8.39mm)より薄く、望遠カメラのないiPhone 16 Pro(7.80mm)と比べても大きな違いはない。デジタルズームも最大で120倍となることから、こちらもXiaomi 14T Pro(30倍)を上回っている。

 一方で、iPhone 16シリーズに搭載された「カメラコントロール」のような、カメラ操作に重点を置いた独自インターフェースは備わっていない。実はOPPO Find X8には、日本では販売されない上位モデル「OPPO Find X8 Pro」が存在しており、こちらにはカメラコントロールに近い機能を備えた「クイックボタン」が搭載されているのだが、残念ながらOPPO Find X8には搭載されていない。

高性能でAI機能強化も、日本語対応は2025年3月以降

 続いて性能面を確認すると、OPPO Find X8は台湾メディアテック製のハイエンド向けとなる最新のチップセット「Dimensity 9400」を搭載。Xiaomi 14T Proが搭載している「Dimensity 9300+」より新しい世代のものを採用しつつ、RAMは16GB、ストレージは512GBと大容量だ。iPhoneとの単純比較が難しい部分はあるものの、性能は現時点のハイエンドモデルとしてかなり高い部類に入るだろう。

 その高い性能を生かしてAI技術の活用も積極的に進められている。「OPPO Reno11 A」で対応していたAI消しゴムは「2.0」に強化され、新たに移り込みを除去する機能も追加。他にもピンボケやブレが起きた写真を修正するAI編集機能が備わるなど、カメラ関連のAI処理はかなり強化がされているようだ。

 一方で、文章の要約や翻訳をする「AIツールボックス」や、文章の制作や添削ができる「AI文書アシスタント」など、AIを活用したテキスト処理関連の機能は、発売時点では日本語に対応せず、対応は2025年3月以降になるとのこと。アップルのAI関連機能「Apple Intelligence」も日本語対応は2025年の提供なのでそちらと大きく変わらない可能性が考えられる。発売当初からAI関連機能の日本語対応を実施しているXiaomi 14T Proと比べれば不利だ。

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コスパは高いがFeliCa非対応、ローカライズに弱み

 それ以外の機能を確認すると、OPPO Find X8はディスプレイサイズが約6.6インチと大画面ではあるが、iPhone 16 Plus(6.7インチ)やXiaomi 14T Pro(6.67インチ)と比べるとやや小さい、その分横幅が約7.4mmと比較的狭いのは、片手で持つ際にはメリットだろう。

 そしてバッテリーは5630mAhと、Xiaomi 14T Pro(5000mAh)より大容量のものを搭載。一方で急速充電は独自の充電規格「SUPERVOOCフラッシュチャージ」で80Wの対応となり、高速ではあるが公称値で約58分となることから、20分未満で100%に充電できるXiaomi 14T Proと比べれば遅い、ということになる。ただしワイヤレス充電も独自の「AIRVOOC」という規格で50Wの急速充電に対応しており、専用の充電器が必要だが約100分で100%の充電が完了するという。

 加えてOPPO Find X8は、IP68だけでなくIP69、つまり80度の熱湯を噴射しても耐えられる防水・防塵性能を持つなど、さまざまなシーンで安心して利用できる点にも力が入れられており、こうした点も競合と比べた優位性といえるだろう。

 その一方で大きなデメリットとしては、ほぼ日本向けにローカライズされていないことだ。

 先にも触れたように、AI関連機能の日本語対応が遅れるだけでなく、NTTドコモが5Gで使用している4.5GHz帯(バンドn79)にも対応していない。そして何よりFeliCaに対応していない点は、他の2機種と比べ明らかに見劣りする。

 最後に価格だが、OPPO Find X8の価格は13万9800円と、iPhone 16 Plusの128GBモデルと同じ価格だ。ストレージが同じ512GBモデルで比較した場合、iPhone 16 Plusは18万4800円、Xiaomi 14T Proは11万9800円となることから、価格的には両モデルの中間ということになるだろう。

 Xiaomi 14T Proより高いとはいえ、14万円を切る価格でこれだけのカメラやチップセットの性能を備えていることを考えれば、やはりハード面だけを見ればiPhone 16シリーズと比べ非常にお得であることは間違いない。ただ一方で、国内への早期投入に重点を置いた結果、他のモデルと比べローカライズが手薄な点は惜しい。

 加えてOPPO Find X8は、実質的に携帯大手のショップでは取り扱われない、いわゆる「SIMフリー」モデルの販売のみとなることから、携帯大手の端末購入プログラムを適用して安く利用することもできない。そうしたことからハイエンドモデルとしてコストパフォーマンスは高いものの、やや人を選ぶ端末であることは覚えておくべきだろう。

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