任天堂の新たなサプライズ製品である「Alarmo」の発表は、まさに青天の霹靂だった。「Nintendo Switch 2」の発売は2025年まで待つ必要がある代わりに、任天堂はゲーム音楽を搭載し、驚くほど高度な技術を使った斬新な時計を発売した。それが目覚まし時計のAlarmoだ。この記事では、同製品を実際に試してみた感想をお届けしたい。
まずはAlarmoについて説明しよう。
この丸いディスプレイを持つ目覚まし時計は、インターネットに接続された、「ゼルダの伝説」や「マリオ」、「リングフィットアドベンチャー」といった任天堂のゲームの音楽やグラフィックを楽しめるデバイスだ。しかしさらに驚くべきは、モーションセンサーが搭載されていることだろう。そのおかげで、この時計のそばで寝返りを打つと、目覚ましのアラームに合わせてゲームの効果音が鳴る。例えば、寝起きにベッドの中で体を動かすと、マリオのコインを取るときの音や、スプラトゥーンのペイントボールの音が聞こえるのだ。そしてベッドで体を起こすと、祝福のファンファーレが鳴る。
現在この製品を購入できるのは、任天堂の実店舗であるオフィシャルストア(日本では品切れ中)と、オンラインストアの「マイニンテンドーストア」(日本では抽選販売)だけであり、後者で購入するには「Nintendo Switch Online」に加入している必要がある。ただし同社は、2025年の早い時期には他の店舗での販売も開始するとしている。
Alarmoにできることは他にもあり、睡眠時の体の動きを計測して記録したり、「やさしく起こすモード」と「しっかり起こすモード」を切り替えたり、ベッドに入ったときにおやすみの音楽を流したりすることもできる。つまり、睡眠用の機能を備えたスマート時計と、任天堂のゲーム世界に浸れるベッドサイド用のファングッズの2つの要素を兼ね備えたような製品なわけだ。
いろいろな意味で、この時計はDisneyが売り出しそうな製品に見える。しかし、任天堂がすでに小売店や、映画や、テーマパークのエリアを持っていることを考えれば、それも不思議ではないのかもしれない。99.99ドル(日本では税込1万2980円)という価格はファン向けのグッズとして見れば高いが、この製品には時間とともにアップデートされるスマートデバイスの側面もある。Alarmoには初めから5つのゲーム「スーパーマリオ オデッセイ」「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」「スプラトゥーン3」「ピクミン4」、そして意外にも「リングフィット アドベンチャー」から選ばれた35種類のシーンが収録されており、今後ほかのゲームやシーンも追加される予定だ。
Alarmoは、任天堂が元々持っている、なんでもありな社風が感じられる製品だと言えるだろう。振り返ってみれば、「マリオカート ライブ ホームサーキット」やミニゲーム機の「ゲーム&ウオッチ」などにも驚かされたものだ。Alarmoの意外さはそれらを上回るが、任天堂ファンやその財布へのアピールは成功している。
米CNETのBridget Carey記者は、Alarmoが発表されるとすぐにオフィシャルストアに駆けつけてこれを購入し、開封した直後の感想を動画でレポートしている。彼女の意見は次のようなものだ。
Alarmoの電源を入れると、まずモーションセンサーと、ベッドの近くに正しく設置する方法についての説明が入念に行われる。その後、ゲームのチュートリアルのように、Alarmoの前でジェスチャーをしたり体を動かしたりしてゲームの音を設定する練習をすることになる。続いてAlarmoは、ベッドの大きさと、ユーザーの頭の位置から見てAlarmoがどこに置かれているかの情報を収集し、その後もう一度目覚ましのテストを行う。任天堂がセットアップに多くの時間を費やしていることは評価できる。実際に朝起きるときのことを考えれば、目覚ましが確実に機能するように万全を期したい。
私は最初のひとときを、「ゼルダの伝説」の没入感あふれるサウンドを楽しみながら過ごした(1つのゲームにつき7種類の目覚まし用音楽が用意されている)。ゼルダの伝説については、やさしい音楽で起きることもできるが、緊張感のあるボコブリンとの戦闘曲で起きたければそちらを選ぶこともできる。その場合、ベッドの上で体を動かせば、それが剣を振る音になる。ベッドでまどろみながら大妖精の夢を見ていたければ、起床時間になった後に、体を動かして大妖精が上げるいろいろな声を聞くのもいいだろう(これはかなり面白かった)。
アラームの音は最初は控えめだが、時間が経つほど音量が上がる。また、これについて十分にテストするだけの時間はなかったのだが、アラームが鳴っていても寝続けていると、緊張感のある音が鳴り始めるようだ。目覚ましが鳴り止むまでにどれだけ体を動かしたり、ベッドから起き上がったりしなければならないかを確かめるのは面白い経験になるかもしれない。また、時計の上にあるボタンでアラームを止めることもできる。
就寝時にリラックスするための音も用意されており、普段の就寝時間を設定しておけば、ベッドに入ったことを検知して、心が落ち着くゲームの音が10分間流れる。ゼルダの伝説の場合は、焚き火の薪がはぜる音が聞こえた。これはひょっとすると、リンクがハイラルの奥地でキャンプをする時の音かもしれない。
朝起きたときに新鮮な驚きが欲しいなら、特定のゲームのアラーム音をランダムに鳴らしたり、収録されているすべてのアラーム音をランダムに切り替えたりすることもできる。
睡眠トラッキング機能もあり、モーションセンサーで睡眠中にどれだけ体を動かしているかを計測して、1年分の記録を保存することができる。
自宅で実際にこれを使い始めたら、もっと詳しくレビューしたい。Alarmoを使った目覚めがどのようなものになるのか、今から楽しみでならない。
任天堂「Alarmo」この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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