NECは、公共施設などにおける入場時の混雑緩和に向け、生体認証技術により立ち止まることなく一度に多人数を認証するシステムを、9月30日から日本、アメリカ、シンガポールを中心にグローバルで販売を開始すると発表した。
このシステムは、同社の顔認証技術と、身体の特徴から人物を照合する技術を活用することにより、あらかじめ設定した入場エリア内の人物をスピーディに検出するだけでなく、混雑下でもその人物を継続して認識し続けることができるというもの。多人数が立ち止まらず、自然に歩きながらでも検出することができるため、1分間に100人のリアルタイムな認証を実現しているという。これまでの入場管理システムのように、ひとりずつ順番に通過させるためのゲートが無くとも認証ができ、行列を解消するとともに、利用者の負担を軽減するスムーズな入場を可能にするという。
企業向けのカスタマイズ機能として、事前に顔画像を登録していない利用者が通過しようとした場合、頭上や床面などに設置したディスプレイやイルミネーションで視覚的にアラートを示すことが可能。認証時には、事前にダウンロードしたアプリやメールで、本人に認証完了したことが通知される。これらにより、利用者とスタッフそれぞれが入場可否をその場で簡単に把握することが可能。利用者の通行と認証の効率性を向上できるだけでなく、既存施設の拡張や増設をせずとも、混雑を緩和できるとしている。導入についても最小構成として、ハードウェアアクセラレーション技術を組み込んだ手のひらサイズの小型エッジ端末と、カメラ1台からで可能。これにより、多様な場所での導入やコスト面での効率の良い増設を実現する。
この7月には、国内のNEC社員2万人を対象に本システムをNEC本社ビルに導入。従来、社員証をかざして解錠していた自動ドアを、利用者は歩きながら顔認証することにより、手ぶらで通過が可能に。さらに、利用者が左右どちらの扉に向かったのかをシステムが判断し、通過する扉を解錠することもできるという。
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