GROUNDは8月28日、物流施設統合管理システム「GWES」(ジーダブリューイーエス)の新たな機能として、AIで配送計画を自動作成する「Delivery Optimizer」(デリバリーオプティマイザー)の提供を開始すると発表した。
同時に、商品の箱詰めやトラックへの貨物積み付けの容積計算で活用できる新機能「Loading Optimizer」(ローディングオプティマイザー)の提供も開始。Delivery OptimizerとLoading Optimizerはともに、GWESを導入していない企業でも利用できるという。
Delivery Optimizerの機能は、「オーダー組み合わせ計算」「配送ルート計算」「トラック積み付け計算」「輸送方法選択」の4つ。倉庫管理システム(WMS)や輸送管理システム(TMS)などとAPI連携し、アルゴリズムを取り込むだけで利用できるため、導入コストや導入期間の削減につなげられるとしている。
本機能は、例えば配送先住所にもとづき、「オーダー組み合わせ計算」と「配送ルート計算」を組み合わせて使うことで、最短距離での走行ルートを算出できる。配送の開始や終了時間、荷下ろし時間、配送指定時間、車両の容積、必要設備などさまざまな条件を踏まえ、トラックごとの走行距離を短縮しつつ、より多くの配送先を回れるよう最適な配送計画を作成できるという。
また、荷物の3辺サイズデータとトラックの荷台サイズをもとに、「トラック積み付け計算」でオーダーに対して最適な車両と積み付け方法を算出。トラック積載効率を向上させることで、トラック台数の削減につなげられるとしている。さらに「輸送方法選択」機能で、宅配、路線便、チャーター便を横断して、最適な配送手段と配送会社を選択できる。
このほか、Delivery Optimizerでは運送会社の制約条件や荷物の特性などを事前登録でき、より実現性の高い計画にもとづいた配送コストを分析できるという。
同時に提供を開始するLoading Optimizerは、ピッキング時の最適な箱サイズの算出、折りたたみコンテナ数の計算に活用可能だ。
GROUNDは、本機能を「物流の2024年問題」に向けた対策としてリリースしたという。特に、配車計画業務は長年の経験に基づく属人性が高く、将来的な持続可能性確保の観点からデジタル化を通じた効率化に対するニーズが高まっている。本機能は、AIによって配送ルートやトラックへの積み付けなどを最適化した輸配送計画を自動作成するもので、配送費の削減、トラックドライバーの荷待ち時間削減、業務の属人化解消につなげられるという。
GWESは現在、三菱倉庫、トラスコ中山、日本通運などに導入されており、稼働拠点は計50拠点となっている。GROUNDは今後も、GWESの継続的な機能拡充と提供を通じ、テクノロジーを活用した物流の発展に貢献していくという。
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