パナソニック 空質空調社は8月23日、昼間沸上げ形「おひさまエコキュート Yシリーズ」を発表した。翌日の日射量予報をもとに太陽光パネルの発電量が多い時間帯を中心にお湯を沸き上げる「日射量シフト」を搭載し、電力会社から購入する電力量を削減する。発売日は10月26日。「ウルトラ高圧 フルオート」の「HE-YU46LQV/YU37LQV」(税込価格、工事費別:126万6100円/116万8200円)と「高圧 フルオート」の「HE-Y46LQV/Y37LQV」(同:114万7300円/104万9400円)2タイプ4機種をラインアップする。
エコキュートは、ヒートポンプ技術を使って大気中の熱を集めてお湯を沸かす高効率な電気給湯機。夜間にお湯を沸き上げるのが一般的だが、おひさまエコキュートは、太陽光発電と組み合わせ、昼間の余剰電力を自家消費してお湯を沸き上げることが特徴。太陽光パネルとの組み合わせが前提になるが、家庭での自家消費を促し、出力制御を抑制する手段としても注目を集める。
専用アプリ「スマホでおふろ」を通じて日射量予報から翌日の日射量データを取得し、日射量が最も多い時間帯で沸き上げができ、余剰電力を自家消費することで、給湯にかかる年間の買電量を約7%の削減に結びつける。
パナソニック 空質空調社 マーケティング担当 マーケティング本部 日本マーケティングセンター 電化マーケティング統括部 統括部長の松尾圭氏は「従来のエコキュートは、昼間の沸き上げ時間帯になると沸き上げを開始し、日射量が少なく、太陽光パネルの発電が足りない時間帯は、電力の購入が発生するリスクがあった。それに対し、新商品おひさまエコキュートは、アプリが翌日の日射量予測と連携し、日射量が多いと予測される時間帯に沸き上げる時間をシフトする」と特徴を説明する。これにより、一般的なエコキュートと比べ、太陽光発電を活用により、CO2排出量を年間で約62%、給湯にかかる光熱費を年間で約41%削減する。
あわせて、シャワーの快適性にもこだわる。ウルトラ高圧 フルオートは、シャワー流量を高圧と比較して約1.4倍にし、高圧も従来より10キロパスカル(減圧弁設定圧力)上昇。2階、3階においても、シャワー使用時の快適性を高めた。
このほか、浴そう栓を閉め忘れた際の通知を早めた「うっかりアシスト」や断水時には生活用水としてタンクから取り出せる災害時対策なども備える。
パナソニック 空質空調社 日本・広域事業担当 水ソリューションズビジネスユニット BU長の福永敏克氏は「太陽光を中心とした再生可能エネルギーの導入は順調に進んでいるように見えるが、一方で、電力の供給過剰を起こさないよう発電を抑制する出力制御などの課題もある。電力は需給バランスが重要で、これが崩れると大規模停電につながるリスクが生じる。電力の受給を常に一致させる必要があるが、太陽光は天気のいい日中での発電量が過剰になり、需給バランスを保つために出力制御せざるを得ない状況に陥る。カーボンニュートラルに向けて、出力制御という新しい社会課題が浮き彫りになる中、再生可能エネルギーの有効活用を促進し、課題解決に貢献できるよう、昼間の電力でお湯を沸き上げる新商品を提案する」新商品発売の意義を話した。
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