ぶどうの価値、ブロックチェーンで守る--DNA情報ひも付けで不正栽培防止

 デジタル総合商社のシティーデジタルは8月8日、林ぶどう研究所のオリジナル品種「マスカットジパング」のDNA情報をブロックチェーンにひも付けた育種の収益還元システム構築に向け、実証実験の第1弾を開始すると発表した。実証実験にあたり、シティーデジタルは全体プロジェクト設計と実装を支援する。

 本実証では、岡山県でぶどうの栽培などを手掛ける林ぶどう研究所のオリジナル品種であるマスカットジパングのDNA、栽培者など複数の情報をブロックチェーンにひも付け、最終消費者が読み取れるRFIDに記録する。

 これにより、品種改良から栽培、収穫、配送までのバリューチェーンを接続して透明化することで、消費者が安心して果樹を購入できる仕組みを構築する。また、違法栽培や販売などのブランド毀損を撲滅して、ブランド価値の向上につなげるという。シティーデジタルと林ぶどう研究所は、このシステムについて共同で特許を出願している。

オリジナル品種「マスカットジパング」 オリジナル品種「マスカットジパング」
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 シティーデジタルは本実証の背景として、品種開発に対する収益還元が十分に達成されていないこと、年間ブランド毀損1000億円とも言われる品種の盗難や不正栽培が横行しているなどを挙げる。これらの課題を解決するため、シティーデジタルと林ぶどう研究所で議論を進め、共同での特許出願と実証実験の実施に至ったという。

 両者は本実証を通じて得られた知見をもとに、オリジナル品種の価値が守られ、品種開発に対する収益が還元される世界の実現を目指すとしている。

プレスリリース

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