「OnePlus Watch 2R」は、229.99ドル(約3万3000円)という低価格を実現し、軽量なつくりになった。財布に負担をかけずに、信頼性の高いスマートウォッチを手に入れたい「Android」ファンにはきっと受けるだろう。残念ながら、筆者はその層には当てはまらなかった。
299.99ドル(約4万3000円)の「OnePlus Watch 2」と同様、OnePlus Watch 2Rもうれしい要素は多い。バッテリーは数日間快適に持ち、画面も鮮明なうえに、ワークアウトの開始やアプリの起動が簡単にできる専用ボタンも便利だ。ただ、筆者にとってOnePlus Watch 2で最も大きかった問題が、OnePlus Watch 2Rでも残ってしまった。かさばるデザインだ。OnePlus Watch 2より軽くはなったものの、手首の上に占めるスペースは相変わらず広い。
サイズは、スマートウォッチで最も重視される要素ではないのかもしれないし、このサイズとフィット感で問題ないというAndroidユーザーもたくさんいるだろう。それでも、OnePlusは筆者のように手首の細いユーザーのことを置き去りにしている気がする。そうしたユーザーには、Googleの「Google Pixel Watch 2」やサムスンの「Galaxy Watch7」など、小ぶりなスマートウォッチの方がより魅力的に感じられる。
大きさに妥協できるのであれば、OnePlus Watch 2Rは299.99ドル(日本では5万7200円から)するサムスンのGalaxy Watch7よりいくぶん安価で、ディスプレイは大きい。OnePlusにとって最も近い競合製品は、おそらく「TicWatch Pro 5」だろう。通常の価格は349.99ドル(約5万円)だが、現在は261.99ドル(約3万8000円)のセール価格で購入できる。OnePlus Watch 2Rと比較するには、両方をしばらくテストする時間が必要だ。
ほぼ2週間にわたってOnePlus Watch 2Rを試用したので、筆者から見たポイントをお伝えしよう。
OnePlus Watch 2Rは、OnePlus Watch 2の廉価版だ。ヘルス機能とフィットネス機能、エクササイズモード、アプリは変わっていない。センサー、バッテリー、プロセッサー、ディスプレイのサイズのほか、デュアル周波数GPSやショートカットボタンなどの主な機能も共通している。
違いがあるのは、主にデザインだ。OnePlus Watch 2Rの方がスポーティーな外観で、本体にはアルミニウム合金、ストラップにはシリコンを採用している。一方、OnePlus Watch 2は本体がステンレススチールで、ストラップはフッ素ゴム製。そのため、OnePlus Watch 2RはGarminのスマートウォッチに近いように見える(実際、同僚の1人はGarmin製デバイスと間違えた)。OnePlus Watch 2は、ディナーパーティーにも着けていけるようなデザインになっている。
画面のカバープレートも、OnePlus Watch 2はサファイアクリスタルだが、OnePlus Watch 2Rはガラス製になった。また、OnePlusのウェブサイトによると、OnePlus Watch 2にはない、輝度を1000ニトまで上げられる高輝度モードが、OnePlus Watch 2Rでは採用されている。
OnePlus Watch 2とOnePlus Watch 2Rの最大の違いはおそらく、その重量だろう。ストラップを除くと、OnePlus Watch 2は49gだったのが、OnePlus Watch 2Rでは37gとかなり軽量化している。この違いは大きい。
それでも、OnePlus Watch 2Rは筆者の手首には大きすぎるように感じる。OnePlus Watch 2ほど重くはないものの、33.8gのGalaxy Watch7(44mmモデル)と比べると、だいぶ重い。
OnePlus Watch 2Rには、優れた点がいくつもあり、バッテリー持続時間はその筆頭だ。1回の充電で丸2日以上は持ち、7月27日午前11時30分に100%だったのが、7月29日午後10時41分頃に10%残っていた。
もちろん、バッテリーの持続時間はスマートウォッチの使い方によって異なる。ディスプレイの常時オン機能は、その2日の間ほとんど使いっぱなしで、睡眠追跡機能も有効にしていた。これは、血中酸素の値と呼吸のパターンを調べて呼吸の問題を確認する機能で、バッテリーの消費も早くなる。
GPSを使って長時間の屋外ワークアウトをトラッキングする機能も、バッテリー持続時間に影響する(筆者の場合、屋外での10~20分のウォーキングを記録した程度であり、ワークアウトの大半は屋内で行った)。
バッテリーが切れたときの充電も速い。20分で10%から56%まで回復したので、出かける前にシャワーを浴びている時間でも手軽に充電ができた。
センサーと各コンポーネントもOnePlus Watch 2とほとんど変わっていないが、心拍数のデータが以前より正確になったと感じられたのは、うれしい驚きだった。2024年に入ってからOnePlus Watch 2をレビューしたときには、ワークアウト中の心拍数データが、Polar製のチェストストラップ式モニターで読み取った数値と一致しないことがあった。
これは、ある程度やむを得ない。チェストストラップ式の方が、心臓に近い位置に取り付けられる分、精度が高くなるのが普通だ。両者の違いが通常より大きく、良好な測定結果を得るには、OnePlus Watch 2の位置を変えなければならないときもあった。
幸い、OnePlus Watch 2Rではそういうことがなくなっている。位置を特に変えたりしなくても、測定値はチェストストラップ式の値に近くなったように感じる。さらに、自動一時停止機能の反応がかなり向上したようだ。ランニング中にちょっと止まってスマートフォンの通知を確認したり、「Spotify」で曲をスキップしたりすると、手首のOnePlus Watch 2Rがほぼすぐに音を鳴らし、ワークアウトを一時停止したことを知らせてくれた。
新モデルOnePlus Watch 2Rで最大の不満は、やはりサイズだ。寸法、ディスプレイサイズ、手首周りサイズはOnePlus Watch 2とほぼ変わらず、筆者の手首にはかなり大きすぎる。大きいサイズは、Androidスマートウォッチでは珍しくないことで、特に、OnePlus Watch 2Rのようなスポーツ志向のデザインになると顕著にみられる(例えば、TicWatch Pro 5は寸法がさらに若干大きい)。参考のために言っておくと、筆者の手首周りは5.5インチ(139mm)で、OnePlus Watch 2Rのウェブサイトに記載されている140~210mmの範囲にわずかに届かない。
OnePlusが、2024年のスマートウォッチとして2番目のモデルをリリースすると初めて聞いたとき、筆者は小型モデルになると期待した。OnePlus Watch 2Rは軽量に、安価にはなったものの、かさばるサイズは変わっておらず、ターゲット層が同じままのように感じる。小型のモデルをリリースしていれば、筆者のように手首の細い人間にとっては、GoogleやサムスンではなくOnePlusのスマートウォッチを検討する理由になったはずだ。
OnePlus Watch 2Rには、驚くほど多彩なワークアウトの種類が用意されている。縄跳び、犬の散歩、10種類ほどのヨガなどがあるのだが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)の選択肢がない。これは、速いペースで高強度の運動を繰り返す無酸素運動と有酸素運動を組み合わせたものであり、通常は運動と休息のインターバルを約30秒ずつ交互に行う。
HIITはある程度人気の高い運動なので、それが抜けているのは意外だ。OnePlus Watch 2Rには、凧あげや綱引きのエクササイズまで用意されているが、HIITは少なくともそれよりは一般的だろう。スポーツとフィットネスのウェブサイト「BarBend」を見ても、Googleで検索されたワークアウトおよびフィットネス関連の語句およそ6000以上を解析した結果、HIITは米国で2番目に人気のワークアウトだったという数字もある。
OnePlusのヘルスアプリ「OHealth」も、「Samsung Health」「Fitbit」、Appleの「ヘルスケア」といった他のアプリと比べると、機能が乏しいように感じる。睡眠スコアの機能はあり、毎日の変化もひと目で見やすいが、メインのダッシュボードに全体の傾向や洞察は見当たらない。データを分析して、そこから分かる情報や洞察を示す機能は、ウェアラブルでますます重要になってきているので、フィットネスと健康に関する統計を表示するだけでは、他社より抜きん出るのは難しいかもしれない。
OnePlus Watch 2Rは、ハードウェアもソフトウェアも多くがOnePlus Watch 2と共通なので、OnePlus Watch 2に対して感じた筆者の他の不満点が、OnePlus Watch 2Rにも当てはまる。例えば、どちらにも転倒検出機能がなく、ソフトウェアアップデートの保証も2年間と比較的短い。
OnePlus Watch 2は、大画面、長時間バッテリー、豊富なワークアウトの種類を求めている人にとっては有望な選択肢になりそうだ。OnePlus Watch 2Rではそのすべてを、より手頃な価格で使える。だが、その良さを理解するには、大型スマートウォッチのファンでなければならない。
OnePlus Watch 2Rこの記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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