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日々発展を続ける生成AIについて、上手な活用法を見つけるべく、さまざまな実験をする模様をお届けする連載「生成AI実験場」。実験を行うのは、生成AIを活用して新規事業開発に取り組む、フィラメントの代表取締役の角勝氏だ。
第2回となる今回は、前回に引き続き「Claude3」「ChatGPT4o」「Gemini Advance」の3種類の生成AIにCNET Japanの記事を書いてもらう実験を行う。前回は、記事の企画を考えさせるための前段として、以下のような5段階にわたる指示を行った。今回は、その指示に対する各生成AIの回答を確認するところから始めよう。
記事企画の第1段階となる、読者ペルソナの考案。3つの生成AIは、以下のような“それっぽい”答えを出してきた。
指示のなかに『「あ、私の身近にいるあの人と同じだ」というように個人としてしっかり認識できる粒度でお願いします』という文章を入れておいたおかげで、どの生成AIも、年齢・職業・趣味・個人のニーズといった、それなりに細かい情報を集めたペルソナを出してきている。見たところ、違和感はないといってよさそうだ。各生成AIには、次のステップ「テクノロジー&ビジネスの領域におけるトピックを10個列挙」に進むよう指示をした。それに対する回答を以下に載せよう。
生成AI、メタバース、ブロックチェーンについては、3つの生成AIがともに言及してきた。なかでも特に、Claude3とChatGPT4oの回答には共通点が多く、自動運転、5G、エッジコンピューティング、量子コンピューティングといった言葉を両生成AIが挙げている。やや独自路線を行っているように見えるのがGemini Advanceだが、半導体不足や企業のセキュリティ対策といった、Geminiだけが挙げているキーワードも昨今話題になっていることは間違いない。
生成AIの種類によって差異はあるものの、大きな方向性のズレはないと判断し、次の段階に進むことにした。次の指示は「CNET Japanがメディアとして広告やイベントスポンサードなどのマネタイズにつなげやすいと思われるキーワードや業界のイメージを教えてください」だ。その指示に対する、生成AIの回答が以下である。
すべての生成AIの答えに共通するキーワードは、AI、サイバーセキュリティ、クラウドの3つにとどまるが、トピックの提案以上に各AIが似通った結果を出しているように見える。先ほどはオリジナリティを垣間見せていたGemini Advanceが、ほか2つの生成AIの思考に寄せてきているのが印象的だ。全体を見通して大きな問題点はなく、実際にマネタイズができるかはともかくとして、CNET Japanの方向性との乖離はないと判断した。
CNET Japanの読者像、最新のトピック、マネタイズにつながるキーワードについて、3つの生成AIの認識は、現実に則したものであった。ここまでの情報を前提にして、各生成AIに記事の見出しと、500字程度のリード文を書いてもらうことにしよう。これまでの指示に対する回答は情報の羅列で済むものだったが、文章としてアウトプットさせると生成AIごとの違いがさらに明確になる。結果を以下に載せるので、ご覧いただきたい。どれが貴方のお好みだろうか。
このリード文を読んでいただいたところで、今回は終わりとしよう。次回は、これを文章のプロに審査してもらう。最も評価の高いものをひとつ選定し、それをもとに本番の記事を書かせることとしよう。楽しみにお待ちいただきたい。
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角 勝
株式会社フィラメント代表取締役CEO。
関西学院大学卒業後、1995年、大阪市に入庁。2012年から大阪市の共創スペース「大阪イノベーションハブ」の設立準備と企画運営を担当し、その発展に尽力。2015年、独立しフィラメントを設立。以降、新規事業開発支援のスペシャリストとして、主に大企業に対し事業アイデア創発から事業化まで幅広くサポートしている。様々な産業を横断する幅広い知見と人脈を武器に、オープンイノベーションを実践、追求している。自社では以前よりリモートワークを積極活用し、設備面だけでなく心理面も重視した働き方を推進中。
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