ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してその内容を伝える「flier(フライヤー)」。ITパーソンはもちろん、IT企業が社員教育の一環として福利厚生に法人利用しているケースが増えている。
この記事では、サービスを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、ITパーソンは今、どんな本に注目しているのかを上半期のランキング形式で紹介するとともに、ランクインした10冊をレビューする。
(集計期間 : 2023年12月1日~2024年5月31日)
今回は、新NISAをテーマにした書籍が第1位に輝くという、トレンドに敏感で情報収集に余念がないITパーソンらしい結果となった。また、コミュニケーション術や仕事術など、今日からすぐに使えて、成果アップに直結する書籍が多くランクインしている。気になった1冊があればぜひ、手に取ってほしい。
上半期のトレンドワードと言えば、やはり新NISAだろう。本書は、マネースクールを運営する山口貴大(ライオン兄さん)氏が、新NISAの攻略法を教えてくれる1冊だ。
著者によると、新NISAでやるべきことは「生涯非課税投資枠1800万円をできるだけ早く埋めること」と「老後もできるだけ長く運用を続けてお金を増やすこと」。本書のガイド通りに進めれば、月にたった5万円から1億円をつくることも決して不可能ではないという。
新NISAは、早く始めれば始めるほどいいと言われる。「本当に5万円からでいいの?」「資産1億円なんて夢のまた夢」――と半信半疑の人も、とりあえず本書を読むことから始めてみてほしい。
本書は「会社のムダ作業」を100個挙げ、業務のムダ・管理のムダ・共有のムダ・処理のムダ・コミュニケーションのムダ・会議のムダ・組織のムダの7つに分類して、一つひとつの解決策を教えてくれる1冊。きまぐれ上司のご機嫌取り、気が利いてる風メール、終わらないアップデートなど、一つひとつの「ムダ作業」のネーミングがユニークで、ついつい「あるある」とクスッと笑ってしまうだろう。
「ああ、こんな作業、時間のムダなのに」「この作業さえなければ、もっと成果を上げられるはず」――日々こんなため息をついている人に、ぜひ手に取ってもらいたい。
若手メンバーの育成に苦労しているITパーソンに手に取ってもらいたいのは『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』。前著『ゆるい職場』で、職場を「ゆるい」と感じている新入社員の離職傾向が強いことを指摘し、世間を驚かせた古屋星斗氏による1冊だ。
令和時代の若手育成において意識したいのは「キャリア安全性」の確保。つまり、若手社員には「今後どんな職業生活上のアクシデントが生起しても安定的に職業生活を営んでいける、という気持ち」を持たせることがポイントとなる。具体的な実践方法については、ぜひ本書を参照してほしい。
本書は、やることを8割減らし、残った2割を効率よく進めるための具体的なアドバイスが満載の1冊。
まず試したいのは「やらないことリスト」づくりだ。「やること」と「やらないこと」を明確に区別し、「やること」にだけ時間を使うようにしよう。はじめのうちは罪悪感があるかもしれないが、徐々に気持ちよく成果が上がるようになるはずだ。
やってもやっても仕事が終わらない。どうして自分はこんなに要領が悪いのか――そう自分を責めがちな人に一読を勧めたい。
2023年の世界幸福度ランキングで第2位に輝いたデンマークは、ビジネスの国際競争力ランキングで、2年連続世界1位を獲得している。しかもデンマークの職場では、午後4時に仕事を終えて帰宅するのが当たり前だという。短い時間で大きな成果を出す、それがデンマーク流なのだ。
本書はそんなデンマークの秘密を解き明かした1冊。「仕事の付き合いはしない、させない」「会議のアジェンダと終了時間を設定する」「退社時間を決める」など、とにかく多忙なITパーソンにとって、きっと参考になるだろう。
本書は、外資系金融機関勤務の人気YouTuber、ハック大学 ぺそ氏が、ビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」に共通する説明術をまとめた1冊だ。
「事実」と「解釈」を分ける、数字を使う、仮説思考を活用する、「抽象から具体へ」の流れを守る、「差分」を1分で話す――どれも今日から取り入れられる、具体的なテクニックばかり。ITパーソンの説明力をランクアップさせてくれるだろう。
「最近、ひとりでゆっくり過ごす時間を取れていないな」「自分磨きがしたいけど、何から始めよう?」――そんな人にはぜひ、コーヒー片手に本書を読んでもらいたい。
著者の池田千恵氏は、言わずと知れた朝活の第一人者。今作では「週末ひとり時間」をテーマに、週末にひとり時間を確保して自分磨きに充てるための時間術や、週末ひとり時間におすすめの活動を教えてくれる。本書を読めば、次の週末が待ち遠しくなるだろう。
育児休業を申請したら、自宅から通えない職場に配置すると言われた。毎日数分だけ遅刻してくる後輩がいてモヤモヤする。子どもの発熱で欠勤連絡をしたら、金銭的なペナルティを科された――。本書は、社会保険労務士として活躍する著者が、こうした「職場問題グレーゾーン」の対処法を教えてくれる1冊。
これまで「仕方ない」「仕事だから」とモヤモヤしながらも受け入れていた会社の言い分は、もしかしたら就業規則や法律に抵触しているかもしれない。気持ちよく働き続けるために、ぜひ多くのITパーソンに読んでほしい。
短い時間で成果を出せる人はいったいどんなふうに仕事を進めているのか――その問いに、815社、約17万3000人の行動履歴を収集・分析して答えを出してくれるのが本書だ。
特に多くの読者を驚かせるのは、短い時間で成果を出せる人は「すぐに仕事を始める割合が1.8倍から2.3倍も高い」という事実だ。つまり、成果を出し続ける人は初速が速いのである。
その前提のうえで、本書では、初速を上げる方法の一つとして「2分だけ仕事をやってみる」が挙げられている。腰が重くても、たった2分動くだけなら誰だってできるはずだ。今日の仕事から取り入れてみてはいかがだろうか。
やりたいことが見つからない――そんなあなたには本書がイチオシだ。「けんすう」こと古川健介氏が、「物語を進めるように」人生を送る方法を教えてくれる1冊である。
タイトルにもある「物語思考」とは、自分をキャラクターとして客観視し、そのキャラクターの行動を考えていくことで今を充実させる思考法のこと。なりたい状態を考える→キャラを設定する→キャラに行動させる→キャラが最高に生きる環境を作る→物語を転がす、の順に、物語を展開させていく。
「やりたいことが見つからない」と悩むあなたも、自分がキャラクターだと仮定すれば、きっとワクワクしてくるだろう。楽しく将来のことを考えたい人に読んでほしい。
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