ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してその内容を伝える「flier(フライヤー)」。ITパーソンはもちろん、IT企業が社員教育の一環として福利厚生に法人利用しているケースが増えている。
この記事では、サービスを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、ITパーソンは今、どんな本に注目しているのかを2023年1~6月のランキング形式で紹介するとともに、ランクインした10冊をレビューする。今回は、ChatGPTをテーマにした書籍が第1位に輝いた。トレンドに敏感で、最新のテクノロジーにいち早くキャッチアップしようとするITパーソンの姿が見えるようだ。また、コミュニケーション術や仕事術など、今日からすぐに使えて、成果アップに直結する書籍が多くランクインしている。気になった1冊があればぜひ、手に取ってほしい。
上半期のビジネストレンドと言えば、やはりChatGPTだろう。本書は、日本語の文章生成AI「Catchy」を手がけるデジタルレシピの古川渉一氏が、ChatGPTの概要をサクッと教えてくれる1冊だ。
本書の特徴は、ITライターの酒井麻里子さんが聞き手となった会話形式でまとめられている点だ。本書を読めば、ChatGPTの何がすごいのか、使いこなすには何に注意すればいいか、ビジネスにどう活用していけるかが、どんな人でも簡単に理解できるだろう。ChatGPT初心者から、ビジネス活用の可能性を検討したい方まで、幅広く満足できる1冊だ。
デートの相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら、あなたは何と答えるだろう? 相手からの信頼を得たいなら「白がいいと思う」などと答えるのはNGだ。
人は、「ちゃんと考えて“くれて”る人」を信頼するものだが、「白がいいと思う」では、適当に答えている感じがしてしまう。本当に相手のことを考えて答えるなら「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」がベストだ。話す前に少し考えるだけで、周囲から「信頼できる人」「頭のいい人」と思われて、仕事もプライベートもうまくいく。一生使える「話し方」が身につく、上半期必読の1冊だ。
クライアントへのヒアリングや提案、社内調整など、コミュニケーション力が問われるシーンも多いITパーソン。コミュニケーション力に磨きをかけたいなら、聞き方の基本から応用までを学べる本書がぴったりだ。
本書の特徴は、「一流」「二流」「三流」の聞き方を比較しながら、聞き方のテクニックを学べる点である。多くの人は、自分の聞き方が「二流」や「三流」だったと知って衝撃を受けるだろう。楽しく読めて、よりよい聞き方が身につく1冊である。
本書の著者、佐久間宣行氏はテレビプロデューサーとして「ゴッドタン」や「あちこちオードリー」といった人気番組を生み出してきた。入社後すぐ「自分は芸能界もテレビ界も苦手っぽい」と気づいたが、それでも懸命に工夫を重ねてきたという。本書ではその「工夫」の数々を惜しげなく明かしている。
著者がテレビ業界の有名人だからといって、決して「自分には関係ない本だ」と思わないでほしい。組織の中で円滑に仕事を進めるノウハウが満載で、若手からベテランまで、多くの気づきがあるに違いない。
ビジネス書の名著と言えば、すぐに名前があがる『完訳 7つの習慣』。世界4000万部、日本だけでも250万部を超えている一冊だ。
本書では、成功に近づくための「7つの習慣」が指南される。主体的である、終わりを思い描くことから始める、最優先事項を優先する……まずは7つ全部の習慣を知るだけでも、日々の行動が変わってくるだろう。7つの習慣は、時代が変わっても通用する、普遍的なものばかりだ。変化の激しい業界に身を置くITパーソンにこそ、ぜひチェックしてもらいたい。
とにかく多忙なITパーソンから支持されたことにも納得なのが「トヨタの会議は30分」だ。新卒でトヨタ自動車に入社した山本大平氏による本書は、会議にとどまらず、ビジネスコミュニケーション全般をより効率的に、より良質なものにするためのノウハウが満載である。
著者によると、年間600回会議があるとすると、1回の会議を1時間から30分に短縮することで、年間2カ月分の勤務時間を捻出できるという。「ムダな業務を減らし、もっと本質的な業務に時間を割きたい」と願う方におすすめしたい1冊だ。
本書は、努力が「報われる人」と「報われない人」の行動を比較しながら、努力が「報われる人」になるための習慣を教えてくれる1冊だ。「一生懸命頑張っているのに、思うように成果が出ない」と悩むなら、ぜひ手に取ってほしい。
まず押さえたいのは「努力が報われる人はhave doneを見える化し、報われない人はto doばかりを考える」だ。仕事や勉強へのモチベーションを上げたいなら、「やったこと」を見える化しよう。自信がつき、「もっと頑張ろう」と思えるはずだ。本書の内容を実践すれば、すぐに「報われる人」の仲間入りができるだろう。
忙しい日々を過ごす中でも、「いつも機嫌がいい人」でいたい――そんな願いを叶えてくれるのは「いつも機嫌がいい人の小さな習慣」だ。今日から取り入れられそうな小さな習慣が88個紹介されている。
まず試したいのは「朝起きたらベッドを整える」。朝にベッドメイクしておくだけで、帰ってきたときにいい気分になれる。たった1~2分、手をかけるだけで、疲れた自分を癒やせる、効果抜群の習慣だ。いつも機嫌がいい人は、誰もが接しやすく、仕事も円滑に進むもの。仕事のストレスを減らしたいなら、本書の習慣を取り入れてみてはどうだろう。
最強チームの条件とは――? その問いに、815社、延べ17万人の行動履歴を収集、分析して答えを出してくれるのが本書だ。
特に多くの読者を驚かせるのは「部下との対話は『よろしくお願いします』で始めない」という項だろう。調査の結果、1on1の冒頭で上司から「よろしくお願いします」と言われると、部下は話しづらくなってしまうそうだ。そこで、43社において、1on1を「感謝・ねぎらい」で対話をスタートしたところ、メンバーたちの満足度が30%以上アップしたという。「本で読んだんだけど……」とつい同僚に披露したくなってしまうような発見が多い本書。リーダーのみならず、一般社員の方にもぜひ読んでもらいたい。
いつも時間に追われてイライラしがちで、成果物の質もイマイチ……そんなあなたにイチオシなのは本書だ。時間を「うまく使う人」と「追われる人」の行動を比較して、より効率的に時間を使うための習慣を教えてくれる。
そのうちの一つが、相手の時間を早めに予約すること。直前にアポイントを入れたり、仕事を頼んだりすると、相手との交渉や調整が発生し、手間もストレスもかかるもの。そうした事態を防ぐため、相手の時間を早めに押さえるのだ。時間を「うまく使う人」になれば、成果物を磨き上げる時間も取れて、仕事はうまくいく。「追われる人」にならないために、ぜひ手に取ってみてほしい1冊だ。
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