日本銀行は7月31日、金融政策決定会合において、政策金利を0.25%程度へ引き上げることを決定したと明かした。同行で総裁を務める植田和男氏は、住宅ローンの支払いへの影響を問われ、次のように回答した。
植田氏は「確かに今回利上げをすると、短期プライムレートが場合によっては少し動いて、変動金利型住宅ローンの金利に跳ねることも考えられる」と前置きし、次のように述べた。
「(利上げは)賃金上昇が続くという見通しの中で判断されている。変動金利型住宅ローンについてはいわゆる『5年ルール』があり、金利自体が上がっても利払い額は5年間据え置かれるものが多いと認識している。そのため、5年間賃金が先に上がり、そのあと利払い額が上がるということで、負担も大きく軽減されると認識している」
植田総裁が言及した5年ルールとは、住宅ローン支払いにおける激変緩和措置だ。変動金利の適用金利は通常半年ごとに見直されるが、金利が上がったとしても、借入から5年間は毎月の返済額は変わらない。そして、6年目以降の返済額は、それまでの返済額の125%を上限とする「125%ルール」もある。
なお、5年ルールは借り入れから5年毎に返済額が見直されるため、4年目に金利が上昇した場合、返済額が上昇するまでの猶予は1年しかない。また、これらは毎月の返済額の激変を抑えるためのルールであり、金利の上昇に伴う返済総額の増加を抑えるものではないことにも注意が必要だ。
(更新)5年ルール、125%ルールについて追記しました
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