オイシックス・ラ・大地のグループ会社で、法人向けケータリングサービスなどの事業を展開しているノンピは7月29日、料理家の寺井幸也氏が率いるYUKIYAMESHIを、17日に子会社化したと発表した。また、寺井氏がノンピのCSSO(Chief Sustainability Story Officer)に就任し、今後3社が連携を深めていくことも合わせて公表した。
ノンピはYUKIYAMESHIを子会社化した背景について、国内でのケータリング需要の増加を挙げた。日本ではケータリングの市場規模を調べることは難しいとしつつ、ノンピでは2024年のケータリング事業の売上高が2023年7~8月対比で約4倍に増加する見込みで、今後の成長が期待できるという。
また多くのケータリング企業において、コスト削減や安定供給の観点から輸入食材に依存する傾向が見られるが、輸送に伴う環境負荷が高いこの現状を、ノンピは業界全体の構造的な問題として捉えているという。
同社で代表取締役を務める上形秀一郎氏は「YUKIYAMESHIが提供するケータリングサービスは、おいしさは大前提として、彩りの華やかさや表現力を持ち合わせている。また、食品の生産背景や作り手の思い、環境への取り組みについても共感できる点が多かった」と、子会社化の経緯を語った。
子会社化にあたって、YUKIYAMESHIは装飾付きケータリングサービス「Sustainability Story Table」の受注を開始する。本サービスは特別栽培の野菜など環境に配慮した食材を使用し、その食材が持つストーリーを、装飾を行うことなどによってテーブルで演出する。まずは1カ月あたり10件程度の受注に対応できるようにし、3年で売上を10倍にする目標だ。
ノンピのCSSOに就任した寺井氏は、「当社はケータリング業界のフードロスや、大量に発生する容器のゴミなどに強い課題意識を持っている。2021年には包装容器のプラスチック使用量を容器全体の30%以下に定め、紙素材を自然に還りやすいバガス素材に切り替えたほか、買うだけでアニマルドネーションに寄付される弁当容器を開発するなど、おいしさを通じて社会的課題に向き合うプロダクトを提供してきた。今回ノンピの子会社になることで、個人店の限界を超えて、社会に対してより大きなアクションを起こしていきたい」とコメントした。
3社は、ノンピやYUKIYAMESHIのケータリングに国内産の環境に配慮した食材を使用することで地球環境の改善につなげ、アボカドやマグロ、小麦、バナナが食べられなくなると言われている「食の2050年問題」の解決に貢献していくという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」