沖電気工業(OKI)は7月22日、スマートフォンとスマートビルの連携で建物利用者の健康行動をサポートする新サービス「Wellbit Office」を、8月から販売すると発表した。
Wellbit Officeは、OKIが開発した行動変容技術に基づいて、行動の習慣化をサポートする行動変容プラットフォーム「Wellbit」(ウェルビット)を利用したサービス。OKI、丸紅ネットワークソリューションズ、鹿島建設の3社がスマートフォンとスマートビルを連携させて従業員の健康的な行動を促す実証実験を行った結果、階段利用や歩行など、オフィス内での運動を習慣化させる効果を確認したことを受けて提供される。
OKIが開発とクラウドサービスとしての提供、丸紅ネットワークソリューションズがオフィスビル内のセンシングとソリューション化を担当し、2026年度までに年間1億5000万円の売り上げを目指す。これに伴い、鹿島建設はファーストユーザーとして、東京都港区の鹿島KIビルでWellbit Officeを8月から導入する。
Wellbit Officeは、建物内の階段、通路、エレベーターホール、執務室などに設置したセンサーから従業員の行動情報をクラウドに収集して、アルゴリズムで個人の心理状態を推定し、階段利用や歩行、適切な休憩、コミュニケーションなど健康行動を誘発するメッセージを、OKIが開発したスマートフォンアプリ「GreenUP」で通知する。また、健康行動へのモチベーション向上や、継続につなげるためのゲーミフィケーション機能を搭載し、オフィスビル内での健康行動を習慣化することで、健康上の問題によって従業員のパフォーマンスが上がらない状態を解消するという。
OKIによると、経済産業省が健康行動を誘発する「健康経営オフィス」を推奨したことを契機に、利用者のウェルネスに配慮した建物を評価する「CASBEEウェルネスオフィス評価認証」や「WELL認証」などの制度が広まっている。こうした中で、利用者の健康や生産性に配慮するスマートビルへの注目が高まっているという。
これを受けて、OKIと鹿島建設は2021年に、階段利用を促進する行動変容アプリの実証実験を行い、従業員の階段利用が増加する効果を確認した。また2022年からは丸紅ネットワークソリューションズが実証実験に加わり、3社共同で従業員の健康行動を習慣化する技術の開発を進めた。これまでの実証実験で、実験参加者の50%以上に意識変化が起こり、階段利用数が36%、歩数が11%向上し、さらにその効果が6カ月以上継続していることが確認できたという。
今後3社は、Wellbit Officeの活用を進め、より健康で快適なスマートビルの構築につなげていくとしている。
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