Appleは、2024年内に予定していた主力AI機能「Apple Intelligence」のリリースを、欧州連合(EU)加盟27カ国で延期することを明らかにした。同社は米国時間6月21日の声明で、「デジタル市場法(DMA)がもたらす規制上の不確実性」を理由に、Apple Intelligenceのほか「iPhoneミラーリング」と「SharePlay画面共有」の2機能を年内にEUではリリースしないと述べた。
Appleの広報担当者Fred Sainz氏が米CNETに送った声明では、「DMAによる相互運用性の義務付けにより、ユーザーのプライバシーとデータセキュリティを危険にさらす形で、当社の製品の完全性について妥協せざるを得なくなるおそれがある」と続けている。
3月には、AppleはEUから、アプリ外でストリーミングサービスをより低価格で利用できることをユーザーに知らせるのを制限していたとして、18億ユーロ(約3100億円)の制裁金を科されている。
Apple Intelligenceは最近のWWDCイベントで最大のニュースとなり、消費者市場向けの生成AIの未来を描こうとするプレイヤーがますます多く参入する激戦区に同社が参入することを示した。この機能は年内に「iOS 18」「iPadOS 18」「macOS Sequoia」のリリースとともに展開される予定だ。各パブリックベータ版は夏にリリース予定とみられる。Appleによると、iPhoneミラーリングとSharePlay画面共有は6月24日に開発者向けベータ版で提供されるという。
Appleの決定を受け、EUの広報担当Thomas Regnier氏はThe Vergeに対し、「ゲートキーパーらは、公正な競争を確保するためのわれわれのルールに従う限り、欧州でのサービス提供を歓迎される」と述べた。
Appleは、EU圏での新技術提供に向けてEUと協力していくとコメントした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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