傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営するNature Innovation Groupは6月19日、東急不動産ホールディングス、渋谷区と共に、新プロジェクト「傘のいらない街 渋谷」を発表。同時に、2022年度に立ち上げた「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト」(2030PJ)の成果発表会を開催した。
2018年12月に提供開始したアイカサは、突発的に雨が降ってもビニール傘を都度購入せずに、アプリでアイカサスポットを探して駅や街中で傘を借り、雨がやんだあとに返却できるサービス。
新プロジェクトでは、Nature Innovation Groupと東急不動産ホールディングスが連携し、渋谷区の後援を受けて、渋谷駅の半径600mに100カ所以上の傘立てを設置する。街全体を巻き込みながら、傘の消費によるCO2や廃棄物の削減、街の景観向上、オフィスビルや商業施設の物件価値の向上、雨の日の滞在時間の増加による消費促進など、環境面と経済面の両方から渋谷エリア全体の資産価値向上を目指すという。
またNature Innovation Groupと東急不動産ホールディングスが共同制作し、渋谷エリアで展開するオリジナルデザインの晴雨兼用傘とビニール傘を発表。東急不動産ホールディングスのコーポレートカラーであるグリーンを基調にし、生物多様性、循環型社会、脱炭素社会を実現していくイメージを込めたという。
Nature Innovation Groupで代表取締役を務める丸川照司氏は、2030PJの成果についても報告。「日本では年間で8000万本ものビニール傘が使い捨てられていると言われており、生産から廃棄までの余計なCO2排出、資源の無駄につながってしまっている」と述べ、使い捨て傘の廃棄をゼロにするために、同プロジェクトを2022年度に発足したと語った。2030PJは2024年5月の時点で13社の大手企業が参画しており、傘立てのスポット数は一都三県で約1500カ所を達成。都内の約2駅に1駅で、アイカサが利用できるようになったとした。
さらに、2023年度から始動しているオフィスビルを対象とした「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト for ビルディング」に加え、2024年度からは「2030年使い捨て傘ゼロプロジェクト for city」を開始する。大手不動産会社や自治体との連携も視野に入れながら、街全体で使い捨て傘の削減を目指していくという。
発表会には、環境省 サステナビリティ広報大使を務めるマシンガンズの滝沢秀一氏も登壇。「傘は自治体によって分別方法が異なり、捨て方が難しい。そのため、道端でビニール傘を廃棄してしまっている人も少なくない。環境負荷を低減し、街の景観を向上させるためにも、アイカサのサービスが普及していくことに期待したい」とコメントした。
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