「Galaxy A55 5G」レビュー:日常使いには十分な堅実スマホ、残念な点も

Andrew Lanxon (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2024年06月24日 07時30分

 サムスンの「Galaxy A55 5G」は、同社のミッドレンジに当たる「A」シリーズの最新モデルだ。2023年モデルの「Galaxy A54 5G」もそうだったが、Aシリーズは常に、価値の点で際立っている。今回のGalaxy A55 5Gも例外ではなく、ハイエンドの「Galaxy S24」シリーズよりずっと抑えた価格で、堅実なオールラウンドの仕様が実現した。大型の6.6インチディスプレイ、高性能のオクタコアプロセッサー、そして背面のトリプルカメラが、メタルとガラス製のカラフルなボディーに凝縮されている。

 筆者は、この1週間、Galaxy A55 5Gを試用している。パフォーマンスは、どの点でも感動するレベルではないが、日常使いには十分な性能を備えた妥当なスマートフォンという印象を受けた。処理能力も、1日の仕事を終えた帰路のバスや電車で気軽にゲームをプレイする分には十分だ。

 Galaxy A55 5Gについて知っておくべき点をまとめてみた。

出先でも動画を視聴しやすい大型のディスプレイ

 Galaxy A55 5Gのディスプレイは6.6インチなので、移動中にゲームをプレイしたり「YouTube」動画を視聴したりするのに十分な余裕がある。鮮やかさも申し分なく、パンチの効いたカラーは、「アスファルト9:Legends」などのカラフルなゲームの本来の美しさを十分に引き出すことができる。リフレッシュレートは最大120Hzなので、速い動きもきれいで滑らかに表示される。

リフレッシュレートの設定を変更する画面
リフレッシュレートは最大120Hzだが、60Hzに抑えてバッテリー持続を優先することもできる
提供:Andrew Lanxon/CNET

 画面は明るく、頭上の室内灯が反射して気が散ることもない。筆者が試用中に過ごしたスコットランドはほとんど曇り空だったので、屋外で使うときも快適だった。明るい夏の日中だと、ここまで見やすくはないかもしれない。

処理能力はゲーミングにも十分

 オクタコアの「Exynos 1480」プロセッサーを搭載しているので、「Instagram」の投稿や閲覧、ウェブブラウジングといった日常使いとしては十分以上の処理能力だ。それだけでなく、「原神」や「PUBG MOBILE」といったゲームも十分なフレームレートでプレイできることが分かった。

「原神」のプレイ画面
「原神」も快適にプレイできる
提供:Andrew Lanxon/CNET

カメラもこの価格帯としては妥当

 背面カメラはトリプル構成で、約5000万画素のメインカメラ、約1200万画素の超広角、さらに約500万画素のマクロカメラが用意されている。広角と超広角で撮影した写真は、価格を考えれば妥当で、Instagramで共有するくらいなら露光も適切でディテールも十分だ。

 確かに、ソフトウェアによる「最適化」が強すぎるために写真が見劣りすることはある。陰影があせて、彩度が過剰に見えたりする(特に青空)。これは、サムスン製スマートフォンで撮影した写真にはよくあることで、本格的な写真を撮る向きには敬遠されるかもしれないが、家族や友人のカジュアルなスナップ写真を撮るだけなら満足できるだろう。

 マクロカメラは基本的に余分だ。背面カメラを2つではなく3つ搭載していることをアピールする目的で、無理に押し込んだのではないかと感じる。

Galaxy A55 5Gの背面にある3基のカメラ
提供:Andrew Lanxon/CNET

バッテリーの持続時間は残念

 Galaxy A55 5Gは、5000mAhとかなり大きいバッテリーを内蔵しているが、米CNETの電力消費テストではあまり長く持たなかった。成績は、「Galaxy S24」シリーズの全製品とGoogleの「Pixel 8a」を下回っている。バッテリー消費が大きい一番の原因はディスプレイのようなので、リフレッシュレートを60Hzまで落とせば、持続時間が少しは長くなるかもしれない。

 適度に気をつけながら使うと、1回の充電でおおむね1日は持続していた。ただし、ほぼどのスマートフォンでも同じように、毎晩のフル充電が必要になると思っておいた方がいい。

ストレージは拡張可能

 購入時の予算を増やせば、標準の128GBではなく256GBモデル(日本では未発売)を購入することもできるが、その必要はない。ストレージはmicroSDカードで拡張できるからだ。最近では、microSDカードスロット搭載は珍しく、過去数年の上位モデルでは全く見なくなった。

 128GBのmicroSDカードなら1000円台でも買えるので、筆者なら標準モデルを購入してmicroSDカードでストレージを2倍にするだろう。その方がコスパは高い。

底面のUSB-Cポート
底面のUSB-Cポート
提供:Andrew Lanxon/CNET

セキュリティアップデートは最長5年

 サムスンによると、Galaxy A55 5Gは「Android」OSのサポートが最大4回で、セキュリティのサポートは最長5年間となる。つまり、2029年まで安全に使えるということだ。サポート期間としては悪くないが、Googleは手頃価格のPixel 8aについても、フラッグシップモデル「Pixel 8 Pro」と同等のサポート期間を保証している。つまり、Pixel 8aでも、OSとセキュリティアップデートのサポートを7年間受けられる。

Galaxy A55 5Gは買いか

 Galaxy A55 5Gは、基本価格が439ポンド(日本ではキャリアに応じて7万円前後から)に設定されている。バッテリーの持続時間、カメラ性能、ソフトウェアサポート期間が、499ポンド(日本では7万2600円)のPixel 8aに及ばないことを考えると、買いかどうかの判断は微妙だ。

 だが、その価格の低さで、また違った価値を提供している。プロレベルのカメラ性能や、新しい人工知能(AI)機能で驚かされるという製品ではないが、日常使いに十分で、ときどきカジュアルなゲームや動画ストリーミングにも使えるくらいのベーシックなスマートフォンを探している層には、手堅い選択肢といえるだろう。

Galaxy A55 5G

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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