iFixit、サムスンとの提携を2年で終了--「優先事項の相違」で

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2024年05月24日 10時46分

 iFixitはサムスンとの2年間にわたる提携を終了した。理由はデバイスの修理可能性に関する「優先事項の相違」だという。

スマートフォン
提供:June Wan/ZDNET

 iFixitは2022年にサムスンと提携し、「Samsung Repair Hub」を立ち上げた。修理文書の優れた標準を確立し、地域の独立系修理業者に必要なツール、部品、そしてサムスンのスマートフォンを長く使い続けるために重要な情報を提供するためだ。

 iFixitのオペレーションと物流を統括するScott Head氏は、「修理をより身近なものにするというサムスンのコミットメント」に疑問を呈し、サムスンのプロジェクトへの献身に懸念を表明した

 Head氏は、適正な価格と数量で部品を入手できないことや、サムスン製デバイスのバッテリーやディスプレイが依然として接着剤で固定されているため、あらかじめ接着された部品を販売せざるを得ずコスト高になることなど、複数の問題点を挙げた。さらに、サムスンは修理店が四半期ごとに受け取れる部品の数を7個に制限していたという。

 さらにiFixitは、アップサイクルとデバイスの再利用に向けたイニシアチブを構築したが、サムスンはこれを実行しなかったと述べた。

 「われわれはこれを成功させようとした。(中略)しかし、優先順位が大きく異なるため、もはや先に進めることはできない」(Head氏)

 6月から、iFixitはサムスンのサードパーティー部品およびツールの指定販売代理店ではなくなり、部品の制限は適用されなくなる。現在ウェブサイトで公開している情報を削除することはないが、サムスンと直接協力して新しいマニュアルを作成することはない。

 サムスン製デバイスの部品や修理キットの販売は継続する。可能であればOEM部品を調達し、アフターマーケットか純正かを明示するという。

 サムスンのモバイルカスタマーケア責任者であるMario Renato De Castro氏はThe Vergeの取材に対し、「iFixitとともに成し遂げたことを誇りに思う。現時点では、提携の詳細についてこれ以上のコメントはできない」と述べた。

 関連するニュースとして、404 Mediaはサムスンが独立系修理店にサインさせた契約書のリークについて報じた。部品の購入を許可される代わりに、修理店はサムスンに、その店でスマートフォンの修理を受けた人全員の名前、連絡先、スマートフォンの識別情報、苦情に関する詳細を提供しなければならないという。

 さらに、サムスンは修理工場に対し、顧客が持ち込んだスマートフォンがアフターマーケットやサードパーティー製の部品で修理されていた場合、「直ちに分解」するよう求めているという。修理工場はまた、顧客がサードパーティー製の部品を使用したことをサムスンに「直ちに通知」しなければならないとされる。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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