東武鉄道グループは2024年〜2027年の中期経営計画において、磁気乗車券の全廃を目指すと明らかにした。QR乗車券によって代替するという。
磁気乗車券とはいわゆる「従来型の紙の切符」のことだ。「Pasmo」などの交通系ICカードなしで鉄道を使う場合には購入が必須となっている。
全廃の方針について東武鉄道の広報部は、CNET Japanの取材に対し「QR乗車券の導入により、自動改札機のメンテナンス性向上や、企画乗車券の造成等も柔軟にできると考えている。鉄道事業については、デジタル技術の活用等を通じて持続的な運営と安定した利益の確保を図っていくことを掲げており、その方針の一つの施策」と説明した。
このうち「メンテナンス性向上」については、磁気乗車券に対応する改札機の機械駆動部は非常に複雑で、そのメンテナンスコストが鉄道会社にとって負担となっている。一方、沖縄の「ゆいレール」のように、紙の切符にQRコードを印刷する方式にすれば、QRコードの読み取り装置を設置するだけで済むので、複雑な機械駆動部が不要となる。
加えて、QRコードならウェブで購入した企画乗車券をスマートフォン画面に表示したり、紙に印刷してそのまま改札を通ることが可能。改札側でも安価なカメラ機能付きタブレット端末を簡易改札機として利用できるなど、柔軟な運用が可能となる。
なお、東武鉄道は2023年10月より、QR乗車券とQR対応改札の実証実験を開始済。「NIKKO MaaS WEBサイト」で購入した「フリーパス」などのQRコードをスマートフォン画面に表示し、その画面をかざすだけで改札を通過できる取り組みを開始している。
東武鉄道が磁気乗車券をどのように全廃するのかは現時点では明かされていないが、改札のQRコード対応化は鉄道各社が進めており、今後の動きに注目が集まりそうだ。
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