NTTデータ経営研究所の地域未来デザインユニットは4月18日、新潟県の佐渡島を拠点とする、新たな人材育成プロジェクトの立ち上げを発表した。今後、佐渡島を拠点に活動する20~30代を中心として、2024年5月から人材育成研修を実施する予定という。
地域未来デザインユニットでは、持続可能な地域の実現を目指し、2022年から佐渡島で自治体、大学、企業、地元の人々とともに自然共生型地方創生プロジェクトを実践する「佐渡島自然共生ラボ」の活動に主体的に関与。今回のプロジェクトは、このラボの活動の一環として行われるもので、「コンサルティングで島外からの収入を稼ぎながら、若者の働きたい仕事・職場を、ここ、佐渡島に生み出していく」をビジョンに掲げる。
このプロジェクトにおいて、佐渡島の両津港にある「SADO PORT LOUNGE」内に、同社のサテライト機能を有した「ソーシャルデザインラボ@佐渡」を、1月に設置。島内企業との打合せや、協働プロジェクト実施のためのオフィスとして活用している。5月からは、20~30代を中心に幅広い年代向けに、コンサルティングに必要な能力を養う研修を隔月で実施する。参加費は無料。希望者には中長期的なキャリア形成上の悩みや課題解決方法の助言を行うなど、ひとりひとりの状況に合わせた支援を行う予定としている。
また、同社と島内企業が協働でコンサルティング業務を実施するなど、実ビジネス化をスタートする。すでに2023年度においても、農林水産省の「温室効果ガス削減見える化実証事業」などを島内企業と協働で実施。将来的にも佐渡市内の若者や島内企業との協働の輪を広げていくとしている。
プロジェクトの目的として、地方圏における経済面や人口面でのプレゼンス低下の悪循環の中心には「働きたい仕事が地元にはない」という悩みがあることを指摘。一方で、コロナ禍を経て東京に代表される大都市圏に多い付加価値の高い仕事は、リモートワークとの相性が良いことも明確になり、必ずしも大都市圏にいなくても、付加価値が高い仕事ができる可能性や環境が全国に拡がってきているという。
地方圏には、東京や大阪、名古屋などとは異なった、自然や文化、技術、伝統産業などが、まだ継承され続けている。こうした固有の自然資本、文化・産業資本は、差別化の要素となるとともに、これからの経済で求められる創造性を育む資源ともなりうるものという。
このプロジェクトでは、佐渡で若者が働きたいと思う付加価値の高い仕事を作ることで、地方圏の経済面・人口面でのプレゼンス向上の好循環づくりに貢献するとともに、プロジェクトを起点に、今後魅力的な雇用と働く環境づくりを通じた地方創生の実現に取り組んでいくとしている。
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