スマートフォンやイヤホンなどを開発、販売する英Nothingは4月18日、イヤホンの新モデルとして「Nothing Ear」と「Nothing Ear (a)」を発表した。
両製品ともに、オーディオ・スマートフォン業界として初めて「ChatGPT」を搭載。ユーザー体験の強化を図っている。
同日から先行予約を受け付け、4月22日から「nothing.tech」で販売する。また、正規販売パートナー店舗となる「二子玉川 蔦屋家電」「Kith Tokyo」「ビームス 原宿/梅田/銀座/六本木ヒルズ」「ユナイテッドアローズ 丸の内店/名古屋店/心橋店」では、4月19日から先行販売し、製品を体験できるポップアップイベントも実施する。
今回発表したNothing Earは、同社の第2世代イヤホン「Nothing Ear (2) 」の後継モデル。「ブラック」「ホワイト」の2色展開で、価格(以降、価格は全て税込)は2万2800円。
イヤホン本体の重さは4.62g、ケースは51.9gで、同社イヤホンの象徴となる透明なデザインを継承。11mmのカスタムダイナミックドライバーにセラミックの振動板を採用し、全体的なサウンドの豊かさと鮮明な高音域を実現する。また、Ear (2)同様のデュアルチャンバーデザインに2つの通気孔を追加することで空気の流れを改善し、よりクリアーなサウンドを実現するという。
オーディオコーデックは、最大1Mbps、24bit/192kHzに到達する「LHDC 5.0」と、最大990kbps、24bit/96kHzに到達する「LDAC」をサポート。Bluetooth経由でのハイレゾストリーミングにより、力強く純度の高いオーディオ体験ができる。
同社で最も効果的というアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能も搭載。イヤホンと外耳道の間のノイズ漏れをチェックし、結果に応じてノイズキャンセリングを強化する。アダプティブANCでは周囲の気が散る音を考慮し、ノイズキャンセリングレベル高、中、低のいずれか1つを自動的に適用可能。Ear (2)と比較して約2倍となる45dBをノイズキャンセリングでき、帯域幅は最大5000Hzをカバー。検知が難しい音を効果的に低減できるとしている。
充電機能は、Ear (2)と比較して25%強化。ケースを使用したフル充電で最大40.5時間、連続再生では8.5時間使用できる。最大2.5Wのワイヤレス充電をサポートし、ケースを利用して10分間急速充電した場合、10時間再生できる。
通話機能ではマイクを一新し、通話の妨げとなるノイズを減少。ステムへの通気孔の追加でスムーズな風通りを実現し、通話の妨げとなるノイズをEar (2)と比較して60%減少させた。
デュアル接続機能では、2つのデバイス間をリアルタイムかつシームレスに切り替え可能。本体のピンチコントロールにより、曲のスキップ、ノイズキャンセリングモードの切り替え、ボリュームの調整に対応する。
イコライザーは、同社がiOS/Android向けに提供する「NOTHING X」アプリでカスタマイズできる。さまざまなジャンルに対しての個別プロファイルの作成、Qファクターと周波数制御による体感音質の向上ができるほか、パーソナルサウンドプロファイルを作成すれば、サウンドテストの結果に基づいて保存したデータをイコライザーレベルの調整にリアルタイムで使用するとしている。
Nothing Ear (a)は、ブラックとホワイトに「イエロー」を加えた3色展開。同社イヤホンとして初めて白と黒以外のカラーを採用する。価格は1万4800円。
イヤホン本体の重さは4.8g、ケースは39.6gで、オーディオコーデックはLDACをサポートする。
ANC機能はEar同様で、ノイズ漏れのチェックによるノイズキャンセリング強度の強化や、アダプティブANCによるノイズキャンセリングレベル高、中、低のいずれか1つの自動適用、45dbのノイズキャンセリング、最大5000Hzの帯域幅のカバーが可能。
充電機能は、「Ear (1)」と比較して25%強化。ケースを使用したフル充電で最大42.5時間、連続再生では9.5時間使用できる。ケースを利用して10分間急速充電した場合は10時間再生できるという。
Nothing Japan 日本担当マネジメントディレクターを務める黒住吉郎氏は、「すべてを新しいデザインにしたことで、より大きなバッテリーを搭載した。Nothing史上最強のバッテリー寿命で、どんなに長い一日でも安心」とアピールした。
同時接続デバイス数は2台で、ピンチコントロールでの曲のスキップ、ノイズキャンセリングモードの切り替え、ボリュームの調整に対応する。
両イヤホンともに、ChatGPTのアプリをインストールしたNothingのスマートフォンと連携可能で、ピンチ操作で直接対話を開始できる。黒住氏は、「Nothing Phoneの操作は必要なく、ポケットに入れたまま画面がオフでも大丈夫。直感的かつ簡単なUXで、ChatGPTとイヤホンを統合した」と話す。
同時に、NothingのスマートフォンOS「Nothing OS」とChatGPTの連携を強化。テキスト、音声、画像に直接アクセスできる新ウィジェットを開発し、ChatGPTとの連携をシステムレベルで埋め込んだという。それぞれはホーム画面への設置に加え、クリックでモードを選択して利用できる。「Nothing Phone (2)」では4月19日から、「Nothing Phone (1)」、最新モデルの「Nothing Phone (2a)」では4月末頃から対応する予定だ。
なお、同社は今回、新製品となるイヤホン2機種の発表の場に東京を選択。4月22日から日本での本格発売を開始するNothing Phone (2a)では、日本での要望が根強い「FeliCa」にも対応する。
Nothing CEOを務めるカール・ペイ氏は、「Nothing Earシリーズのワイヤレスイヤホンにおいて、日本は米国に次いで2番目に大きな市場」と話す。ソニーモバイルコミュニケーションズ、楽天モバイルなどを歴任した黒住氏の抜擢だけでなく、日本にオフィスとチームも構え、本格的な日本への進出により存在感を示していくと語った。
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