メルカリは4月16日、同社が展開している空き時間おしごとサービス「メルカリハロ」について、全国展開を開始。全国チェーン店やローカルスーパーなど、5万店舗以上の求人を順次公開していくという。
メルカリハロはメルカリのスポットワークサービスとして展開されているもので、3月6日から1都3県の店舗での求人掲載を開始。同社によれば、サービス開始から1カ月で登録者数が250万人を突破(※4月5日時点で、メルカリハロの利用規約に同意した登録者の累計)したという。
利用者動向として、メルカリが3月に勤務したクルー(利用者)を対象にアンケートを実施した結果、メルカリハロを通じて勤務したクルーの62%が、はじめてスポットワークを利用したスポットワーク初心者という。メルカリハロを利用した理由については「もともとメルカリを利用していて登録がかんたんだった」「メルカリのサービスで安心して使えるため」などの声も多いという。登録者の3割以上(34%)は「会社員・団体職員」で、高まる副収入ニーズも伺えるとしている。
年齢層についても、一般的にスポットワーク業界で若い人たちや学生向けというイメージがあるなか、30代で24.8%、40代で20.8%、50代で17.1%と、幅広い世代に満遍なく利用されているという。さらに45%という、約半数が2回以上利用したリピーターとなっており、一度の利用をきっかけにスポットワークを日常的に活用しているという。
全国展開では、北海道内で多くの店舗を展開しているドラッグストアの「サツドラ」や、福岡に本社を置いて展開しているディスカウントストアの「ミスターマックス」などでも働けるようになる。また、パートナー拡充を目的として新たに大阪拠点を設立。今後は、全国チェーン店はもとより、地域に根ざしたローカルな店舗や、中小事業者との連携も深めていくという。
全国展開にあわせて発表会を実施。メルカリ執行役員 CEO Workの太田麻未氏は、メルカリハロの全国展開について、サービス開始後の反響が大きかったことや、地方における労働力不足の課題解消に向けたものと説明する。
リクルートワークス研究所の調査によれば、2040年には東京都以外のすべての道府県において労働供給が不足する状況が想定されているとしており、特に2024年はコロナ禍を経て行動制限が解除されインバウンド需要が高まりをみせるなど、観光地を中心により一層働き手が必要となることが想定されるという。
加えて、スポットワークは単発や短時間の雇用契約による新しい働き方として近年注目されており、スポットワーク協会調べによれば、スポットワーク仲介大手4社の登録者数の単純合計(2023年3月から2024年3月)が、直近1年間で510万人増加し、市場全体が1500万人規模に成長するなど、拡大を続けているという。この数字には、メルカリハロの登録者数は未算入であるため(※2024年4月にスポットワーク協会加盟のため)、メルカリハロの登録者数や、スポットワーク初心者が体験していることを踏まえて、スポットワーク市場の拡大に貢献していると語った。
また、デリバリーピザチェーン「ドミノピザ」を展開するドミノ・ピザ ジャパン 事業推進部部長の大森力氏も登壇。ドミノピザでは3月からメルカリハロを導入しており、1都3県で活用しているなか、立ち上げたばかりにもかかわらず非常に求職者が多かったこと、特に人員が必要となる休日には、学生のみならずダブルワークの方などもマッチングして働いているという。
また、メルカリハロからの利用者の約半数がリピーターとなっており、オリエンテーションの必要なくすぐ業務に取り組めるため、メリットになっていることも付け加えた。今後についても、ドミノピザにおけるアルバイトとしての長期雇用など、リクルーティングの手段としての活用にも期待していることや、1都3県の店舗で利用したメリットが、全国の店舗にも共通して得られるものと考えているという。
メルカリハロとしての今後については、専用の単体アプリに、気に入った求人パートナーをフォローできる「フォロー」機能を追加。またお気に入りの店舗を一覧で確認できるタブの整備なども進めており、より豊富な機能を揃えていく予定という。また4月22日から全国展開スタート記念キャンペーンを開始。5月10日23時59分までの期間限定で、メルカリハロにおいて対象の募集で勤務するごとに、1000ポイントをプレゼントする(最大6回)。
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