サムスンの最新フラッグシップデバイスである「Galaxy S24」シリーズは、独自の人工知能(AI)機能を搭載しており、写真編集、リアルタイム翻訳、ウェブページの要約の自動生成などの機能を実現している。
ただし、これらの機能のすべてがデフォルトで有効になっているわけではない。新しいGalaxy S24を手に入れたものの、このスマートフォンの機能をまだ完全には把握できていない、という方のために、今すぐ有効にすべき5つのAI設定を以下で紹介していこう。
必ず有効にしておきたい最初の設定は「ライブ翻訳」だ。これは、自分と電話で話している相手の会話をほぼリアルタイムで音声翻訳してくれる機能である。この翻訳ツールの仕組みについてはいったん置いておき、まずは設定を有効にしよう。
「設定」で、「便利な機能」>「高度なインテリジェンス」>「電話」の順に進み、「ライブ翻訳」をオンに切り替える。ライブ翻訳を使い始める前に、自分の言語、話している相手の言語、翻訳音声の種類を選択しよう。サムスンによると、現時点では、簡体字中国語、スペイン語(メキシコ)、スペイン語(スペイン)、スペイン語(米国)を含む13の言語に対応しており、今後、より多くの言語が追加される予定だという。自分の声と相手の声をミュートして、翻訳の音声だけが聞こえるようにする選択肢もある。
ライブ翻訳を使用するには、電話をかけて、「通話アシスト」ボタンを押し、「ライブ翻訳」を選択して開始する。自分が話すと、その音声を文字起こししたテキストとそれを翻訳したテキストを含む会話の画面がリアルタイムで表示される。自分が話し終えると、この翻訳ツールがその発言を相手の言語に通訳する。音声をミュートにしている場合、相手には翻訳の音声だけが聞こえる。
Galaxy S24で特に目玉とされているAIツールの1つが「生成AI編集」だ。これは、生成AIを使用して、スマートフォンで撮影した写真内のオブジェクトを消去したり、構図を変えたり、レタッチしたりできる機能である。例えば、写真内のオブジェクトのサイズを変更したり、写っている人を消したりしたいとき、生成AI編集は新しい背景を生成して、それらのオブジェクトや人が元々写っていた部分を埋めることができる。
本記事で紹介している他の機能や設定と同じように、生成AI編集もデフォルトでは有効になっていないため、設定でオンにする必要がある。「設定」>「便利な機能」>「高度なインテリジェンス」>「フォトエディター」の順に移動し、「Generative edit(生成AI編集)」をオンに切り替える。
「ギャラリー」アプリで、「編集」アイコンをタップして、3つの星が描かれた生成AI編集アイコンをタップし、生成AIを使用する。写真の角度を修正して、欠けた背景を生成することも、写真内のオブジェクトの周りに線を引き、選択して、移動、削除、あるいはサイズ変更したりすることもできる(この場合も、生成AIが背景を生成して、写真内の空白になったスペースを埋めてくれる)。
Galaxy S24の「ボイスレコーダー」は音声を録音するだけではない。音声をテキストに書き起こした後、AIを使用して、そのテキストを要約する機能も備えているので、学校の講義や職場のプレゼンテーションを録音する人は、重宝するだろう。ただし、文字起こししたテキストを要約するには、設定でこの機能を有効にする必要がある。
「設定」>「便利な機能」>「高度なインテリジェンス」>「ボイスレコーダー」>「Summaries(概要)」の順に移動し、オンに切り替える。「Summaries(概要)」をオンにすると、人工知能を使用して、録音した音声の要約が自動的に作成される。
仕事で文字起こしツールを試してみたい人は、ボイスレコーダーアプリで音声の録音ファイルをタップして、文字起こしを作成し、「概要」タブに移動する。概要の上部には、キーワードが表示され、それをタップすると、概要内の特定のセクションを確認できる。その下には、AIによって生成された見出しと箇条書きを含む概要が表示される。
これも、最初に有効にしないと使用できないAIツールであり、ブラウザーでアクセスするほぼどんなウェブページでも要約することができる。ただし、この機能を利用するには、サムスンのデフォルトのウェブブラウザー(「Samsungブラウザ」と呼ばれる)を使用しなければいけない。このAI要約ツールは、「Google Chrome」などのサードパーティーのウェブブラウザーでは機能しない。
「設定」>「便利な機能」>「高度なインテリジェンス」>「Samsungブラウザ」>「要約」の順に進んで、このツールをオンに切り替える。これで、ウェブページの要約を表示できるようになった。
Samsungブラウザにアクセスして、要約したいサイトにアクセスし、画面下部のナビゲーションバーに表示される閲覧アシストアイコン(3つの星)をタップする。「要約」をタップすると、AIが生成したウェブページの要約が表示される。
有効にすることを検討すべき最後のAI設定は、自身のプライバシーに関するものだ。「設定」>「便利な機能」>「高度なインテリジェンス」の順に進んで、「データをデバイスのみで処理」をオンに切り替えると、AIによるデータ処理のすべてがオンラインではなくデバイス上だけで実行されるようになる。
通常、ユーザーのデータは、使用している機能に応じた応答を生成する目的のためだけにサードパーティーに送信される。機械学習や広告に使用されることはなく、生成が完了するとすぐに、ユーザーのデータはサードパーティーのサーバーから削除される。だが、データがデバイス内にとどまっている方が安心できる人は、この設定を有効にすべきだろう。
ただし、この機能をオンにすると、結果の品質が下がり、特定のAI機能が動作しなくなる場合がある、とサムスンは警告している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス