米司法省と15の州およびコロンビア自治区は米国時間3月21日、Appleが「iPhone」を利用して公正な競争を阻害し、巨額の利益を得ているとして、同社を反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴した。
ニュージャージー州連邦地方裁判所に提出された88ページの訴状によると、AppleはiPhoneを厳格に管理し、他社がAppleと競合する重要なアプリケーションやサービスを開発するのを妨げることで、反トラスト法に違反しているという。そうすることで、Appleは競合他社のスマートウォッチやデジタルウォレット、クロスプラットフォームのメッセージングサービスなど、消費者が恩恵を受けるであろう機能を提供するアプリを競合他社が開発できないようにしてきたと、米司法省は主張した。
米司法長官のMerrick Garland氏は21日の記者会見で、「Appleは自社製品を改善するのではなく、他社製品を改悪することで独占力を強化してきた」と語った。さらに、米国のスマートフォン市場におけるAppleのシェアは65%を超えており、同社は「ユーザーと開発者の双方にとって、Appleのエコシステムから抜け出すのを極めて困難かつ高コストにする」障壁を作り出すことで、強大な権力を維持しているとした。
Appleは米司法省の主張を否定し、今回の訴訟について、「当社の存在意義と、競争の激しい市場でApple製品を差別化している原則を脅かすものだ」と声明で述べた。そして、この訴訟が成功すれば、「危険な前例となり、人々のテクノロジーに強圧的に介入する権限を政府に与えることになる」とした。
同社に批判的な人々は、Appleの成功は代償を伴うものであり、iPhoneの中核機能を中心に構築されたApple独自の製品やサービスに対抗できない競合他社を締め出すことで成り立っていると主張する。
今回の訴訟は、自社のデバイスに付随する体験の開発に関するテクノロジー企業の決定に影響を及ぼす可能性がある。米司法省は、Appleのビジネスが競争を阻害している分野として、ビデオゲームストリーミング、クロスプラットフォームメッセージング、スマートウォッチ、ウェブブラウザー、広告など、多くの例を挙げている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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