エイターリンク、「AirPlug」一般販売を開始--無線給電で空調を自動調節

 米スタンフォード大学発のスタートアップであるエイターリンクは3月21日、「AirPlug」の一般販売開始を4月1日に決定したと発表した。

左から、エイターリンク 代表取締役CEO 岩佐凌氏、代表取締役CTO 田邉勇二氏
左から、エイターリンク 代表取締役CEO 岩佐凌氏、代表取締役CTO 田邉勇二氏

 AirPlugは、空間伝送型のワイヤレス給電ソリューション。最大17m以上の給電距離に加え、移動体に対しても給電可能な低い角度依存性を持つ独自の送受電技術を備え、あらゆる場所にデジタルツイン環境を構築することができる。


 エイターリンクで代表取締役CEOを務める岩佐凌氏によると、AirPlugは、特にビルマネジメント領域で大きな役割が期待できるという。例えば、配線をすることなくオフィス内に複数のセンサーを配置することで、人がいる周辺の環境情報をもとに、ビルシステムを統合制御できる。これにより、実証実験では年間約26%の空調コストを削減できたという。

 送電機は、天井に埋め込んで設置する 「AirPlug PowerTx-C」と、照明用ダクトレールに工事不要で設置できる「AirPlug PowerTx-D」の2種類。「AirPlug Sense-T」は、机の上やパーテーションなどに設置することで周辺の温湿度やセンサー位置情報を感知し、空調を自動調節する。

天井に埋め込んで設置する「AirPlug PowerTx-C」
天井に埋め込んで設置する「AirPlug PowerTx-C」
照明用ダクトレールに工事不要で設置できる「AirPlug PowerTx-D」
照明用ダクトレールに工事不要で設置できる「AirPlug PowerTx-D」
周辺の温湿度やセンサー位置情報を感知する「AirPlug Sense-T」
周辺の温湿度やセンサー位置情報を感知する「AirPlug Sense-T」

 AirPlugを試験導入しているサンフロンティア不動産の本田賢二氏は、「昨今は電気代が高騰しているため、コスト削減は企業の課題となっている。また、社員にとって働きやすい快適な環境を提供するという意味でも、時代にフィットするプロダクトなのではないか」とコメント。同じくAirPlugを試験導入している三菱地所xTECH運営ビジネス開発支援でユニット統括を務める平口慶幸氏は、「将来的には、スマートビルに留まらず、街全体やエリア全体を管理できるスマートシティ化につながっていくことを期待している」と語った。

AirPlugの導入をイメージした模型
AirPlugの導入をイメージした模型

 岩佐氏は、「空調の自動調節だけでなく、いずれは照明や換気も管理できるソリューションを提供していきたい」とし、ビルのIoE化を進めることで、環境負荷の軽減にも貢献していきたいと語った。

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