パナソニック エレクトリックワークス社は、SAGAアリーナで街演出クラウド「YOI-en(ヨイエン)」を使った、実証実験を実施した。アリーナ内の照明と来場者のスマートフォンを連動させ、スマートフォンをタップすることで照明演出を変えるユーザー参加型の演出を採用した。
実証実験は、佐賀県佐賀市にある「SAGAアリーナ」で行われたVリーグの試合で実施。佐賀をホームとする「久光スプリングス」対「東レアローズ」(2月10日)、「埼玉上尾メディックス」(2月11日)の試合前の応援合戦と選手入場時に照明演出を取り入れた。
会場内に置かれたチラシにあるQRコードを読み取ると、専用ウェブサイトにアクセスでき、座席エリアや応援チーム、推し選手といった属性情報を入力。画面にあらわれた応援ボタンを連続タップすると光演出に参加できるというもの。
スマートフォン画面のタップとコートの四隅に設置したムービングライトが連動し、タップ数が増えると、白色だったライトが久光スプリングスのチームカラーである青色に変化する。
選手入場時の演出は、属性情報時に入力した推し選手を元に、タップ数が一定数を超えると照明演出がバージョンアップする。「通常の照明演出がより華やかになるイメージ」(パナソニック エレクトリックワークス社ソリューションエンジニアリング本部ソリューション事業統括部パブリックエンターテインメントカテゴリー商品・サービス企画部街演出サービス企画課の上野山浩志氏)とする。
今回の実証実験は、SAGAアリーナ内の既設の照明と「YOI-enクラウドプラットフォーム」を組み合わせて実現したもの。YOI-enクラウドプラットフォームは、外部アプリや機材、別のクラウドサーバーとAPI連携ができ、今回はウェブ/スマートフォンアプリと連携し、スマートフォンから照明の操作を可能にした。
「今までの演出照明は『見る』に主眼が置かれていたが、YOI-enはインターネットを使って、体感する、行動をいざなうなど、そこでしかできない体験も提供できる」(上野山氏)とポイントを話す。
久光スプリングス GM補佐の小早川武徳氏は「久光スプリングスでは、約8400名ものお客さまが来場されるSAGAアリーナで、お客様が持つ情熱や心の動きをどうすれば、可視化できるかを考えてきた。そのときに、YOI-enのお話をお聞きして、形にしてみたいと考えたのが大きな動機の1つ。チームカラーである『スプリングスブルー』で会場を青に染める試みに、私自身とてもワクワクしている」と新たな試みに期待を寄せる。
照明演出とバレーボールとの相性については「バレーボールはテンポ感のあるスポーツで、音楽とともに盛り上げられる。今まで試合を行っていた場所はとてもアットホームであったが、照明が水銀灯のため、演出が限定されていた。SAGAアリーナで追求したいのは照明の色と音楽の掛け合わせ。そのあたりを非常に楽しみにしている」(小早川氏)とした。
(取材協力:パナソニック エレクトリックワークス社)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」