「Googleマップ」の新機能「イマーシブビュー」の舞台裏

Abrar Al-Heeti (CNET News) 翻訳校正: 矢倉美登里 高橋朋子 (ガリレオ)2024年02月13日 10時54分

 カリフォルニア州マウンテンビューにあるGoogleの広大なキャンパス。そこに建つ何の変哲もない倉庫の中に、さまざまな形状や大きさのカメラが12台ほど置かれている。カメラはそれぞれ、500ポンド(約230kg)ほどあるリグや、映画『ゴーストバスターズ』に登場する「プロトンパック」のような装置に取り付けられたり、自転車やスノーモービル、自動車に搭載されたりしている。

 これらのカメラは、Googleの「ストリートビュー」用カメラ技術の進化を物語ると同時に、市街地から野原、山の頂上まで、地球上のあらゆる場所で画像を撮影するために同社が用いている、さまざまな方法を見せてくれる。列の一番端にあるカメラは、一見よくあるコンピューターのようだが、その下には、4つのレンズが備わっている。航空機に取り付けて3Dの航空画像を撮影するためのものだ。

 このカメラは、「Googleマップ」の新機能「イマーシブビュー」用の画像撮影に使用されている。イマーシブビューでは、目的地の建物や自動車、街路樹、さらには鳥までもが3Dレンダリングで表示される。タイムスライダーを動かせば、例えば1時間後の天気や、職場から帰宅時の渋滞状況を確認することができる。また、Googleマップの標準的なビューで目にするような、渋滞を表すただの赤線の代わりに、個々の自動車が道路を埋めている画像が表示され、状況が分かりやすくなっている。

 イマーシブビューには2つのバージョンがある。1つは、ランドマークや公園のような場所の様子を知ることができるバージョンで、すでに利用可能だ。もう1つは経路案内用のバージョンで、こちらはサンフランシスコやニューヨーク、ロンドン、東京などの都市から順次提供開始となっている。このオプションでは、経路に沿って表示することで、すべての曲がり角や、1歩進むごとの周囲の外観を確認できる。

 イマーシブビューは本物そっくりに見えるが、リアルタイムの画像を用いているわけではない。Googleは、ストリートビュー用に撮影した画像と、ハリウッド映画に使われるような3D航空カメラで撮影した画像を組み合わせて、これらのデジタルモデルを作成している。人工知能(AI)とコンピュータービジョンを用いて、これらの画像を調整し、道路標識や歩道、道路名などのオブジェクトを識別する。それらすべてをつなぎ合わせることで、イマーシブビュー用のリアルな3Dレンダリングが表示される。

 上の動画で、Googleが使用している3Dカメラと、マップ用カメラの進化を紹介する同社の施設「Street View Museum」を取材した様子をご覧いただける。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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